彼女はフォークで
肉片を突き刺し
抉り出す
僕は一つの
どこか中空に設置された
固定カメラに過ぎず
女は年老いていく
クラゲと泳ぐ
男は
いつまでも咲き続ける
花のように
女は待っている
と男は信じている
夕日/海
鳥の羽ばたき/波の音
2/5
の砂浜で
明日には消える
足跡を繋いでいく
男は大きな荷物を担ぎ
歩く
足元には人々の山
(その中には男も居て)
白、黒、茶、黄、
多くの男達、僅かの女達、
男はそれらを
踏みしめて行く
山頂で男は鐘を鳴らす。音が鳴り、横たわった人々は目を覚ます。戸惑いと驚き、その後の歓声。もうパレードは終わったのだと、人々は荷物を降ろし、国の無くなった街へと帰っていく。鐘の音は海を越え、女の元へ。
(彼女はどこか中空に
(設置された一つの肉片
(僕はフォークで
(固定カメラを突き刺し
(抉り出すに過ぎず
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選出作品
作品 - 20120924_357_6364p
- [優] フォーク - しんたに (2012-09)
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フォーク
しんたに