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作品 - 20120508_686_6083p

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I am who I am

  しんたに

 僕らがどこまでもなだらかな坂道のつづく若草色した丘の上で鎖骨をわけあっていると虹色の雨が少しずつあくまでも優しいスピードで落ちてきて僕らは無限よりひとつだけ少ない数の中から雨傘を一つだけ選ぶことにして君は迷うことなく赤色と青色が描かれた傘を選び僕はそれをできるだけ遠くまで拡げていって太陽が丘の下に沈んでいくまで始まりの歌をいつまでも始まりの歌のまま奏でつづけて踊ったり揺れたりしていくつもりだったけれど僕らが愛についてとか善悪についてとか永遠についてとか他にもいろいろな話をしたり草の音に耳をすましたりしている隙に闇を運んでくる鷹たちが丘へやってきて月を食べてしまい光をなくした僕らは丘の上から追い出されて林君みたいにクルクルと坂道を転がり回ってどんな色にも染まることのできないビル風の吹く街へ落ちていきコンビニエンスストアとファミリーレストランの間でポコポコと水蒸気のように消えていった。

文学極道

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