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作品 - 20110401_484_5111p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


鋼板の行方(最終稿)

  草野大悟

ホオジロザメが泳ぐ小さな町で あのとき
なだれおちた
 
 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板
    鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板
       鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板

干からびたそれぞれの夢/月は秘密を脱ぎ捨て 干潟は干潟であることを捨てた
漁師は魚を捕れない/海は 海であった海のうえを 逆立ちしながら ぽろぽろ
流れ/血は プライドを纏ったまま//////////////息絶えている

ひらかれる

       鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板
    鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板
 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板 鋼板

漁師はイノシシなんか撃てない/透明なナイフだけが残されたおれたちには
切り裂かないで生きるか 刎死するかの どちらかの選択枝が残されている
///////////////////////////////だけだ

それでは おれたちの
 汗は 肉は 皮膚は 頭は 首は 胴は
    手は 足は 心臓は 脳は 肝臓は
       腎臓は 脾臓は すべての心は どうだ どうだ どうだ

どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ
どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ
どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ どうだ

        よく晴れた蒼が どこまでも深く広がってゆくのはたぶん
      蒼が蒼を捨てたがっているから だろう
    そんなこと叶わないって とうに
  分かっているのに

朝は 朝であったことをわすれている
  昼は とっくに溶けさって
    夜は 朝をおもいだせない
     ぴきぴききしみつづける
    ちいさな家の二階に
  海は いつだって
潜んでいる

 あふれてくる涙は
   海の組成とおんなじなんだよ
    と、ほんとっぽく笑う風は もう
     西のそらへ
    沈もうとは しない
  
   朝というなまえをわすれた朝が
  きょうも おおごえで
 あ〜っ っと叫びながら
やってくる
  
         

文学極道

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