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作品 - 20110309_926_5061p

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多くの、死の、帰りに

  Q

足音の多くが、
冬を蹴散らした、
君の、首は、黒い、
またずっと、長く、
手は白い、
そのうち、
君の友人も、
この輪に加わるだろうから、
今から、準備しなくちゃいけない、

夜は、叫びの中で、ずっと短い、
夜は、孤独の中で、ずっと浅い、
夜は、明るさの中で、ずっと脅えている、

王座だけが、優しさに包まれている、
長い間、王を失った、
彼の、瞳は、母の、乳で洗われ、
父の、体毛で、しごかれ、
もうむちゃくちゃだ、

砂漠は、歴史の中で、一度も、
孤独じゃなかった
―いいえ、一人じゃなかった、
砂嵐の中に、影がばら撒かれて、
夜の間に、それらは温められて、
昼に、冷たく倒れた、

多くの、死の帰りに、
ずっと、道は満たされていて、
それは長い、
長いようで、短い、と、
彼女は言うけど、
それは、瞳では語らない、
言葉、
口は、灰を、
涎に変えた、
その晩に、肺に、
魂が集って、
ずっと動かない、

そしてまた、
多く、の、死の帰りに、
うんざりするほどの、
体を浴びる、
彼の体、
彼女の体、
知らない誰かの体、
立ち上る、蒸気が、
この世界を、満たして、
大きな、寝息をたれはじめるのが
聞こえる、

夜につがれた、
水は、朝には、
もう水にかえることがない、
そこには、少しばかりの、
白さがまじって、
祝福を受けてしまっている、

金色に、群がる、
羽虫の中に、
一匹だけ、
知らない、蟻のような、
彼、
もしくは、彼女の、
ような、
そして、その周りだけが、
異様に、明るい、

よくしらない、
ものが、ずっと、
目の前を、ゆっくりと、
飛び回っている、
その数を、もう数え切れなくなる頃に、
不思議と、体は、
起き上がる、

聞け、誰かに、
彼の名前を、
彼女の名前を、
私の知らない言葉で、
私の名前が呼ばれる、
そして、飛び跳ねて、
机から落ちる、時の、
名前の、叫びが、
耳を、熱くさせて、
言葉を隠してしまう、

多くの、死の、帰りに、
体は凍える、
温めるには、眠り、
誰もいないことへの、
眠り、

遠くで、女子高生の、ぱんつが、見える、
それは白い、
もうそればかりみてしまう、

文学極道

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