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作品 - 20100906_201_4688p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


Pooh on the Hill。

  田中宏輔




Narrate refero.

私は語られたることを再び語る。

                    (『 ギリシア・ラテン引用語辭典』)

熊がかわいそうな人間を食うのなら、なおさら人間が熊を食ったっていいではないか。

                    (ペトロニウス『サテュリコン』66、国原吉之助訳 )

(これを殺しても殺人罪にならない)

                    (文藝春秋『大世界史14』)

またそれを言う。

                    (横溝正史『嵐の道化師』)

「いやんなっちゃう!」と、プーはいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』6、石井桃子訳)

「そうらね!」と、コブタはいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』5、石井桃子訳)

「あわれなり。」と、イーヨーはいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』6、石井桃子訳)

それでしゅ、それでしゅから、お願いに参ったでしゅ。

                    (泉 鏡花『貝の穴に河童のいる事』)

饂飩(うどん)の祟(たた)りである。

                    (泉 鏡花『眉かくしの霊』二)

それは迷惑です。

                    (泉 鏡花『山吹』第一場)

為様(しよう)がないねえ、

                    (泉 鏡花『高野聖』十九)

やっぱり、ぼくが、あんまりミツがすきだから、いけないの

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』1、石井桃子訳)

と、プーは、かなしそうにいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』4、石井桃子訳)

じぶんじゃ、どうにもならないんだ。

                    (A・A・ミルン『プー横丁にたった家』6、石井桃子訳)

あのブンブンて音には、なにかわけがあるぞ。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』1、石井桃子訳)

もちろん、あれだね、

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』7、石井桃子訳)

何だい?

                    (フィリップ・K・ディック『時は乱れて』12、山田和子訳)

変な声が聞えるんです。

                    (泉 鏡花『春昼後刻』三十一)

変かしら?

                    (リチャード・マシスン『縮みゆく人間』5、吉田誠一訳)

その声が堪(たま)らんでしゅ。

                    (泉 鏡花『貝の穴に河童のいる事』)

花だと思います。

                    (泉 鏡花『高野聖』十六)

花がなんだというのかね。

                    (ホラティウス『歌集』第三巻・八、鈴木一郎訳)

あの花はなんですか。

                    (泉 鏡花『海神別荘』)

ラザロはすでに四日も墓の中に置かれていた。

                    (ヨハネによる福音書一一・一七)

なぜ四日かかったか。

                    (横溝正史『憑(つ)かれた女』)

「四日ですか」

                    (フィリップ・K・ディック『アルファ系衛星の氏族たち』3、友枝康子訳)

神のみは、すべてのものを愛して、しかも、自分だけを愛している。

                    (シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』宇宙の意味、田辺 保訳)

誰もそのような愛を欲しがりはしないにしても、

                    (E・М・フォースター『モーリス』第一部・11、片岡しのぶ訳)

「こりゃまた、なんのこっちゃい。」と、イーヨーがいいました。

                    (A・A・ミルン『プー横丁にたった家』9、石井桃子訳)

何を言ってるんだか分らないわねえ。

                    (泉鏡花『春昼後刻』二十七)

と、カンガは、さも思案(しあん)しているような声でいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』7、石井桃子訳)

これらはことばである。

                    (オクタビオ・パス『白』鼓 直訳)

そこには現在があるだけだった。

                    (サルトル『嘔吐』白井浩司訳)

すべてが現在なのだ。

                    (アゴタ・クリストフ『昨日』堀 茂樹訳)

記憶より現在を選べ

                    (ゲーテ『ほかの五つ』小牧健夫訳)

いったいぜんたい、なんのことなんだか、プーは、わけがわからなくなって、頭をかきました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』6、石井桃子訳)

「花は?」

                    (フロベール『感情教育』第一部・五、生島遼一訳)

「花は」

「Flora.」

たしかに「Flower.」とは云はなかつた。

                    (梶井基次郎『城のある町にて』手品と花火)

汝は花となるであろう。

                    (バルザック『セラフィタ』五、蛯原〓夫訳)

花となり、香となるだろう。

                    (サバト『英雄たちと墓』第IV部・7、安藤哲行訳)

それにしても、なぜいつもきまってあのことに立ちかえってしまうのでしょう……。

                    (モーリヤック『ホテルでのテレーズ』藤井史郎訳)

どこであれ、帰ってくるということはどこにも出かけなかったということだ。
            
                    (フエンテス『脱皮』第三部、内田吉彦訳)

あれは白い花だった……(それとも黄色だったか?

                    (ブライス=エチェニケ『幾たびもペドロ』3、野谷文昭訳)

「青い花ではなかったですか」

                    (ノヴァーリス『青い花』第一部・第一章、青山隆夫訳)

見覚えました花ですが、私(わたし)はもう忘れました。

                    (泉 鏡花『海神別荘』)

真黄色(まつきいろ)な花の

                    (泉 鏡花『春昼後刻』三十三)

淡い青色の花だったが、

                    (ノヴァーリス『青い花』第一部・第一章、青山隆夫訳)

「だれか、このなかへ、ミツをいれておいたな。」と、フクロがいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』6、石井桃子訳)

ぼくは、ばかだった、だまされてた。ぼくは、とっても頭のわるいクマなんだ。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』3、石井桃子訳)

「いやんなっちゃう!」と、プーはいいました。

                    (A・A・ミルン『クマのプーさん』6、石井桃子訳)

嫌になつちまふ!

                    (泉 鏡花『化銀杏』六)

単純な答えなどはない。

                    (アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』第二部・14、中田耕治訳)

私はもはや、私自身によってしか悩まされはしないだろう。

                    (ボードレール『夜半の一時に』三好達治訳)

「それが、問題(もんだい)なんだ。」と、ウサギはいいました。

                    (A・A・ミルン『プー横丁にたった家』7、石井桃子訳)

人間に恐ろしいのは未知の事柄だけだ。

                    (サン=テグジュペリ『人間の土地』二・2、堀口大學訳)

私は未知のものより、既知のものをおそれる。

                    (ヴァレリー『カイエ一九一〇』村松 剛訳)

私が話しているとき 何故あなたは気難しい顔をしているのですか?

                    (トム・ガン『イエスと母』中川 敏訳)

きらいだからさ。

                    (夏目漱石『こころ』上・八)

これは私についての話ではない。

                    (レイモンド・カーヴァー『サン・フランシスコで何をするの?』村上春樹訳)

どこかに石はないだろうか?

                    (ホラティウス『諷刺詩集』第二巻・七、鈴木一郎訳)

どうして石なんだ?

                    (フィリップ・K・ディック『銀河の壺直し』11、汀 一弘訳)

石は硬く、動かない。

                    (サルトル『嘔吐』白井浩司訳)

すべてのものにこの世の苦痛が混ざりあっている。

                    (フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』杉山晃・増田義郎訳)

石があった。

                    (テッド・チャン『バビロンの塔』浅倉久志訳)

石なの?

                    (フィリップ・K・ディック『宇宙の操り人形』第三章、仁賀克雄訳)

「花は?」

                    (フロベール『感情教育』第一部・五、生島遼一訳)

「花は」

「Flora.」

たしかに「Flower.」とは云はなかつた。
 
                    (梶井基次郎『城のある町にて』手品と花火)

またそれを言う。

                    (横溝正史『嵐の道化師』)

これで二度目だ。

                    (泉 鏡花『眉かくしの霊』二)

「きみ、気にいった?」

                    (A・A・ミルン『プー横丁にたった家』2、石井桃子訳)

文学極道

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