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作品 - 20100901_101_4677p

  • [佳]  急須 - 萌黄  (2010-09)

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


急須

  萌黄

あわよくば、

あわよくばひっつめた髪を、愛でて欲しい
色気の無い私の中にも
煌々と火はともっている


秋分

秋分に吹き消されてしまうようなきがして


反復する
月日が去る頃には
しとりしとりと視界を滲ませてしまう
幾ら歳月をつんだところで
変わりっこない
月を跨ぐことが出来るのは
いつまでも時だけ
その時には、大人しく


わかっているの

ビジンナワタシ二
相応しい貴方など・・・

わたしはひっつめた髪を
食べてしまう

スーツの襟を立てる

ボタンを、ひとつ ふたつ あける
夜ヲ

日を跨ぐことが出来るのは
いつまでも時だけ
消さないで
季節を跨ぐとき
夏の火種が
細いけむになってしまわないで
月日が去るときも
もう、拭ってしまう
お茶を注いだ急須の口から零れるように
ただ頬を伝い落ちる
この火を消沈させてしまう
だから、それは、





月を跨ぐその度

文学極道

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