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作品 - 20090921_979_3806p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


アルビノ

  朝倉ユライ



             中指から繋がりません。夜は日々よりも遠いところで回転します。爪先に
塗りあわせた橙色の蛍光色が遠くまで発光します。ずっと奥まで張りつめた夜です。灰鉄の片隅の開い
た穴が(繋がっている)暗い水が箱を置く蒼い夜です。夜が揺れる

白く浸食された少年がビルを倒壊します。大人たちの眠る街は錆びてゆく音が倒壊。足許から崩れてい
くは空へ再生。月だけが2cm/sで回転。少年がビルを倒壊する様だけが回転。!!!(再生。木馬は木
馬はくすんだ緑の結晶を腹に抱えて駈けてゆきます。煌びやかな繁華街の照明の中へ。木馬は結晶を割
り死んでゆきアパタイトは炸裂し大人たちへ炸裂(昇華

夜が揺れる

暖炉がちろちろと燃えています。老婆は椅子で揺れています。部屋中埃をかぶって目玉焼きはレプリカ
です。老婆は椅子で揺れて床に転がる透きとおる座標軸を拾い上げて顎に嵌める。窓に張り付いた景色
を装飾 ≪Door≫ 暗く透明な糸で。目玉焼き(Re・ハマナツメ♭分離不可能)は朝のレプリカです。窓
の外に凛玲な潮騒がシオサイが(鳴り響き渡る)

           ≪あの日つないだ夕陽が   、   、、、   わたって     ≫

鳥居をくぐると蝉が一気に昇華を始めました。一対の狛犬の下腹部から繋がるひとすじの光跡を裂くと
硝子石の割れる音がして樹々が葉を揺すり。蝉は夏の高圧な太陽に燃やされひらひらと落下し分解しま
す。私を取り囲む樹々が葉を高く舞い上げ辺りには2,0℃の氷塊が弾ける。老神木の内臓に煌々と輝
くガラス瓶が口を空に開け入道雲を抱きかかえ。細胞の隅では凍りつきそうな星々が夜の消滅を待って
います。<鳥居>や<蝉>や<狛犬>や<林の奥に光る赤い眼>は始終向こうの夜を眺めていました。
私は彼らに何か伝えるべきことがある気がして急いで駆けてみましたがそこには刺繍のほどこされた小
さなドアがドアがあるだけで雑木林の奥の方から赤眼の獣が鳥居へ向って駆け出し浄化された世界へ

                 割れる、裂け      #Door#      へ

        景色が豪風に吸引され♯Door♯狛犬の夏は誰も知らない蝉が鳴く。異次元の羊は高く
泣き叫ぶ不思議と彼らはドアを開いた向こうの夜を眺めるのです。そのドアには美しい刺繍が美しい刺
繍がshisyuuが『ラ『ラ『ラ『『『光(la)穴(la)蕾(la)追悼(la)始終(shisyuu)ララララララ
(endlessrepeat

               繋がらない日溜りの次元)がメゾピアノを奏でます。sunshine. ハマ
ナツメの色彩を知らない少女は桜貝を拾い海辺の茶色のビンに落とす。彼女は日の当たる机でそれを眺
め続けました。skylark.セロリを刻む音。母親の匂い。skipping揺れるビタミン(装飾音符)の割れる
音・とsleepingラララララ♭)の微かな血流。少女の爪の裏に夕暮れ(の空は段々と痛みを増し痛みを
液体に(痛みを(彼女はまだ母親の背中で生きていた

軟膏。滴る雫のように小閑をひたす。二階の窓からは土手の向こうに恍惚の街が広がります。夕暮れの
鉄橋が泣き叫ぶように生きる下。下で少年は少女の爪で射精。少年は甘夏を搾り。まだ生ぬるい爪は遺
品のように傷跡がそこに。そこに沈殿。その果実は終結したふりをして指の下で滴っている

       ≪少年は海へ出ようと、、 全てを捨て   、     、、、 (駆け出す  ≫

私の中指はいつ届くでしょうか。蛍がとまり風もとまりますが一向に乾かない。食い破られたところで
構わないのです。私の座標は届いて下さい少しばかり私を失っても構いません。この夜は私の子宮です
私はこの中で生まれた気がするのです爪には血がこびり付いていました。(少女を)彼女を赤眼のハク
ビシンが通り抜ける。風を連れて行く(彼女の)少女の指を連れて行く。くさはらをぬけ倒壊したビル
群を横目に救済へ向かい少年は廃退し結晶化。緑色に凍土した夜の遺跡は月で崩壊。錆びた鉄が静かに
地中へ昇華し世界はフラスコへ逆回転。木馬が逆回転(!!!フラスコへ逆(銀色の蝶がアパタイトか
ら卵生。銀粉がフラスコへ昇華






                          鵜飼いはただ空を見つめ続けています。世界
中の脳内が衝突する様を耳にしながら、空の色は白い。蒼と太陽の光源色の静穏。溶け合う姿はにんげ
んの、人間のささやかな結合に等しい。鵜飼いはただ空を見つめ続けています。この硝子石は届いて下
さいあなたの好んでいた桜貝を込めました。座標軸がぽとりと落ちたような気がして鵜飼いは夜明けの
崖で焼身します誕生する光の中で光の中で





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