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作品 - 20090702_414_3623p

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スカシカシパン

  草野大悟

太陽の海でポチャンと跳ねてみたい
そう思ったんだ
光の波を浴びて
金色の魚になって
ただポチャンと跳ねて
彼女のなかに沈んでゆこう
そう思ったんだ
温かそうで
幸せそうで
ぽかぽかぽかぽか
氷もとけるかなあって
でもね
聞いて
ここからが大切なんだ
でもね跳ねてみるとね
太陽って
凍えるくらい寒くって
木星か冥王星のほうが
まだましかなあ、って思った
ぼくはね
よく
思うんだよ
ひとは夢と言うけれど
ぼくは
これまで夢というものに
出会ったことがなくて
よく理解できないんだ

それでそのことを
知り合いの牛に相談したわけ
そしたら牛は太陽よりもっと凍えて
俺の守備範囲じゃないから
海牛に聴け
だって
海牛と言われてもねえ
だいいち
海ってなに?の世界だから
もう、えっ!?
って固まるしかないわけねこれが
困りに困って
う〜ん、なんて唸っていたら
よけい分からなくなって
あれ、なにしてんだろ
あれ、って
考えてんだか固まってるんだか
分からんない物体が腕組みしてるんだな、これが

文学極道

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