一人で稼げるようになったら、
家を出よう。
年をとって、わがままになった母を置き去りにして、
兄夫婦にも有無を言わさずに、
海の近くに家を借りるのだ。
あらゆるものが白っぽく浮き上がる午後に、
潮の匂いがどこまでも追いかけてくる様な、
夜は、孤独で暗い自分の寝床に、
ひたひたと波が進入してきて、幻の海の底で眠れる様な、
そんな場所を探して。
休日は、細かい路地を抜けて
海でも見ながら、
天ぷらを齧ってみたい。
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選出作品
作品 - 20080726_554_2917p
- [佳] 海と天ぷら。 - おっさん (2008-07)
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海と天ぷら。
おっさん