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作品 - 20080623_962_2853p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


星が落っこちて

  裏っかえし


あたしの苔桃は
ぺちゃんこだから
いくらでも
飲み込むことができる
もっと もっと
そんな嘘を 呼吸みたいに
散々ついて歩く夜の家路は
たいてい両耳にイヤホンを
突っ込んでる連中とすれ違うから
なにを聴いているんです
そう尋ねてみるけど
案の定 答えは返ってこないから
あたしは誰にも星を貰えないのだと
心底理解できる
歩きたばこは嫌い
自分でやるのが好きだから
ホイールをバカみたいに回して
救急車があたしを背後から
ふっ飛ばして あたしが
曲がるつもりだった角を先に曲がる
それから 何台もの救急車が
あたしのうえをいったりきたり
いよいよあたしはぺちゃんこにされて
そのくせ苔桃だけは
星に向けて吹きかけるつもりだった
たばこの煙を飲み込んで
猛烈に熟れていく
落っこちてきて
落っこちてきて
両手を組みあわせて
そう 祈れたら
適当なところで
あたしは立ちあがって
あの角を曲がれるはず
なのに

文学極道

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