僕が自分を知ったのは
たしか去年の秋でした
一人でニヤリと笑ったり
むやみやたらと騒いだり
校舎の窓から顔を出し
空を仰いでおったのは
すべてまえぶれだったのです
出会って最初のあいさつはたしか
こんちは
さようなら
なんだか気恥ずかしかったのです
オカアチャンの
機嫌をうかがう
子供のように
僕はしばらく外で遊んで
深呼吸してから
ドアをノックしたのです
僕ははじめての感覚に
戸惑い
喜び小躍りし
人を見下し
悲しんで
恐れおののき
身震いし
布団にくるまり頭を抱え
カタツムリみたく顔を出しぴょこんと
覚悟を決めたのです
ぴょこんと
覚悟を決めたのです
僕が自分を知ったのは
たしかに去年の秋でした
一人でニヤリと笑ったり
むやみやたらと騒いだり
校舎の窓から顔を出し
空を仰いでおったのは
すべてまえぶれだったのです
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選出作品
作品 - 20080128_921_2573p
- [佳] 18歳 - 木戸 (2008-01)
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18歳
木戸