息を凝らして
街は黙り込んでいる
雪をはらんだ雲の下で
街灯に霜が光っている
十字路がいつもの別れ道で
俺はやわらかい無力さを
おまえの痩せた首に巻いてやるのだ
若さを失って
俺たちにはひとつの部屋もない
けれど欲望の灯をともして
高く高く伸びた都市でさえ
雪が降るのは止められやしない
やがて
こらえきれない悲しみのように
雪が落ち始めたら
俺の指を思い切り噛んでくれないか?
噛んで 噛んで 噛んで
血が流れ出たなら
俺は真新しい雪の上に
名もない暮らしの絵を描くだろう
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選出作品
作品 - 20080121_797_2562p
- [優] 雪待ちうた - まーろっく (2008-01)
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雪待ちうた
まーろっく