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作品 - 20071124_612_2453p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


パティオ

  ミドリ



ぼくは プライマルスクリームを聴いた
リズミカルなストロークで腰を振り
右っかわの乳房を
ぼくの口に含ませるまなみ

磁気嵐のようなホワイトノイズが
彼女の喉から
胸ん中から漏れる
それはまるで150億年前の
ビックバンの残響に
耳を当てている感じで
その亀裂という亀裂から 孤独が溢れ出し
ふたりは融合し
ギュッといつまでも抱きしめていたい
亀裂の中に ふたりは居た

世界は異なるものを出会わせるパティオだ
彼女は左の道から来た ぼくは右の道からだ
すべての出会いは パティオだ
世界はパティオであり
異なるものを出会わせる場所であり 力だ

ベットの中に
ふたりは7時間ばかり居たろうか
コロナビールが2本床に転がっていて テレビでは
隣国のミサイル実験の ニュースが流れ
彼女は裸のまま浴室へ入っていった
そしてそのすべてが
ぼくの目にはクリアだった

文学極道

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