階段をかけおりていく楽しさを
思いだして日は暮れる
いつまでもあかるい気のまま
立ちどまっている
食卓のうえに
ながいあいだ置かれて
すこしも動かなかった
声もあまりださなかった
乗りものの中で
たくさんの家の窓辺に立つ
風景は割れてとんで
皆うまれた町の
幻をみる
降り注ぐ落葉の下
誰も彼も起こしてまわり
ひとの名残を
みつけてはないた
立ちあがる夕暮れに
両腕をさしのべる
迎えようとするつもり
建物のかげで
鳩が垂直に降りて
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選出作品
晩秋
軽谷佑子
階段をかけおりていく楽しさを
思いだして日は暮れる
いつまでもあかるい気のまま
立ちどまっている
食卓のうえに
ながいあいだ置かれて
すこしも動かなかった
声もあまりださなかった
乗りものの中で
たくさんの家の窓辺に立つ
風景は割れてとんで
皆うまれた町の
幻をみる
降り注ぐ落葉の下
誰も彼も起こしてまわり
ひとの名残を
みつけてはないた
立ちあがる夕暮れに
両腕をさしのべる
迎えようとするつもり
建物のかげで
鳩が垂直に降りて
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