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作品 - 20070911_633_2322p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


舞妓の葬式

  いかいか

年老いた舞妓が齧る、
骨の音は、
いつまでたっても、
小さな音だろう、
僕が、遥か昔、
伊勢神宮で嗅いだ、
古代の人々の裸足の土の香りは、
今にも、私の隣の家の畑を耕してしまいそうだ、
そういえば、僕は葬式を散歩するのが日課だ
例えば、別れたばかりの恋人たちが好む雨の中を、
サンドバックを引きずりながら、
砂煙を上げて噴水に投げ込むまでに、
どれだけのカップル達が
アメリカンフットボールの試合の用に、
タッチダンすることができるだろうか、
もし、幽霊だけで結成されたチームがあったら、
間違いなく優勝するだろうが、
彼の足が生えてこないかどうかを審判はきっと気にして、
審判の足はさらに増える
そうこうしているうちにホイッスルが鳴らされて、
チアガールじゃなくて舞妓達が踊り始めたら、
恐らく僕の勝ちだろう、と、
毎晩、舞妓達が塗り上げる肌色は、
きっと彼女達の熱い闘志を隠すもので、
彼女らがボールを投げあいながら、のしかかりあいながら
押し合いへしあいしながら、
グッドモーニングアメリカ、と、ラジオで叫ぶことを
夢見ることは間違いだろうか?
深夜、壊れたラジオなんてのは使い物にならないのだから、
葬式と一緒に火葬場で燃やすことを僕は強く推薦したい、

京都に住んでいた時、
友人の友人が舞妓だったが、
彼女が僕に言った事といえば、
長唄の一つでも歌えるようになったら、
本能寺で遊びましょうと、
つまり、僕に燃え落ちろってわけか、

文学極道

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