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作品 - 20070503_099_2043p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


チューブレストランバースデイ(草稿)

  枷仔


マカロニにんげん
管を、
すいこむようにくちにくわえて
すいこむように しろいものを
したでからめとって なかみを
ああ にがいにがいといいつつ
すいこむようにくちにくわえて
すいこむようにくちにくわえて
くだった白く濁ったものだった
下る
さかみちを、
坂道のしたでは戦争
ずっとそらがちかかったせいか
膝に負担が掛かる下り坂
背中が徐々に汗ばんでいくのがだるい
だるい
気だるい
靴底に穴を空けるまで歩き続けることが目的だ、
と、豪語する風と
近似的な気持ちを抱いていた弾丸
まさかかすめるとはね
風切音
くうかんのだんれつ
その すきま
いま、一瞬ひらいた  空白
そこをうめつくすような  空白
の群れ
おそろしいほどの親近感
どうせ歩くことしかできないのだから
深海魚と大して違いはないのだ。
けずりとられたマカロニの内壁を
外から修正
(ここはどこかしら)
絡ませたソースは
くちのなかいっぱいにひろがる咀嚼
おいしくいただく
  いただきます。
  めしあがれ。
  ごちそうさま。
  おそまつさま。
米と異なるものへの変貌を予期して
トイレへ、
便座をひらき
   すわり
   いたし
   ふき
   たち
   ながす
でていった
はいっていた
マカロニのソースを嚥下する
ひっかけた のど
ねばねばしてすこしこまる
見限られる
さかな
アンコウ
食欲に見限られる
浮上に伴う膨張
凝縮する骨
崩壊する肉
堕落する鱗
くりあがった視界
あたらしい海
海面が深海
二本足の深海魚の町へ出荷される
すくわれないものを前提に
いま、箱舟が出航する。
(どこも嵐にちがいなく)
とが
稀に含まれている とが
うそです
と  とが
常にです
と  とが
歯にあたった とが
ことば
口偏に愛
はじきかえされた とが
ふたたび内臓を
浸す
(逆流する 塩酸  、

こうもん/くちばし
出口のちがいなど些細なことだ
(  。
入り口ではない、と誰が言い切れる)
輪も
もしくは和も
もわもわも
わたあめのような不安
堂々巡りする灰色の砂糖
とける
「はなれられない
がびがびのティッシュ
糖度もしくは
蛋白質が凝固した
死骸
もとはここにはなにもなかったのですよ
マカロニがソースに絡まるように
餌が糞になるように
つうかぎれい
つうかぎれい
つうかぎれい
つうかぎれい
出たり入ったりしていれば
そのうち 出ますから
そのうち 入りますから
(放屁)
たゆたゆとたゆたい
くたも
((皆そこでたゆたいたいったい!
水底
くうきに圧殺される
圧殺されない
まいごになったら子宮にお帰り
魚は水中
人間は空中
水に濡れた魚から見たら
空気に濡れた人間が見えるのかしら
胎児には羊水なんて見えなかったのだろうね
排泄(テーブルの上には
排泄(鮟鱇のから揚げ
排泄(肉は美味いが
排泄(骨は硬い
排泄(食欲を拒絶するほどの生命力
排泄(のぞんでいない
排泄(変化を内包する卵に祈るのだ
排泄(もう決して、うまれてきませんように、と。
排泄(……………………
まもなく、戦場

文学極道

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