傾けられた夏に
泣いた少年も遠い林、
たくさんの雀はきえ、
陽炎はひっそり凪いで、
十三ヶ月の
生長の後、
高柳は
空にとけ
飛ばない羽根を漉して、
早生の少年は
風に肩鳴らされるまま
投げる眼差しを
いつもの遠景の
一際高い樹にくゆらせる
なぜでもない。
林は啼き何も知らず
ただ朽ちた樹の、
褥を荒々しく均し、
細かく刻んだ音を
(無人の宅地に撒いていて)
、木、よ
、林は
、どこですか
少年きえて、
林充ちる、
年を重ねる証に
灰を落とす
少年、
君は
林の外で、
林の中心で、
一際
高い樹に見下ろされて
幾つまで
過ごしたのでしたか
少年
いつもなつです
遠い林は啼き
とおいあなたの
足跡を
腐します
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選出作品
作品 - 20070428_953_2023p
- [佳] 少年 - 田崎 (2007-04)
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少年
田崎