『気化』
みなさん、とてもジンガイでした。なのに、とても流暢な江戸弁で。ここぞとばかりに気化したそうです。ですから声しか聞こえません。何かを作っているらしく 組み立てたり また それを 丁寧に破壊したりで、忙しいそうです。先生は、仰るのでした。想像してごらんなさい、と。僕は、想像してみました。鴉って云うのは、ニッポンチャチャチャのシンボルでしたね。とラテン系ニッポン人のミケランジェロ・アントニオーニさんが云うのでした。あっしゃね、こんなツラしてるけんども、魂はサムライですからね。そんなアントンの家族構成、住まい、趣味、性癖等を具体的かつ詳細に想像しようとしていた所。どうされたのでしょう。先生は、とても立腹されており、僕のアフロな頭髪を鷲掴みにされると工場の壁面へ打ちつけてくれるのでした。どうされたのだろう。お薬が切れかかっているのだろうか、と心配におもいながら、打ち続けられておりますと、わたしゃは、あんたに、犯された、3度も、3度も、ね、と絶叫され、工場の壁面へ僕の頭蓋を打ち続けてくれるのでした。先生は僕が想像している内容を想像され、御間違いになったんだなーと笑いながら、血を流していました。そんな先生も ようやく気化され 僕はかつて工場だった廃墟で独り頭を打ち続けておるのですが。未だに、気化できていません。
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選出作品
作品 - 20070329_234_1954p
- [佳] 気化 - T.T (2007-03)
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気化
T.T
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