告発された、私の世界が、
ゆっくり夜に飲み込まれる、
瞳の奥で水平線が反転し、
真昼が醜く嘔吐する、
超えようとする昔日の石段の陽光が、
額から滑り落ちて、
握られた私の冷えた微熱、
夜なき夜を巡る、
子午線が海面から、消えてなくなる、
そして、蒸発した、
という始まりから、
流れ出た、貴方の唇から、流れ出た、
貴方、という呼称の中に、
纏められぬまま纏められた、
幼き乳房、の沸き立つ、
平野上で、
私は、G線上を歩く、
刻まれたステップの内に、宿った、
戸口は閉められ、
告発された、
夜の闇の中で、
告発された私の世界が、
落日を経験しないまま、
断崖から見下ろす、少年の怒りに満ちた眼に、
一瞬の雷光、
手は離された、
繋がれることなく、
ただ、汗は握られていた、
貴方の、いや、私の冷めた微熱を宿した額から流れ出た汗が、
唯一握られていた、
そして、青ざめた、
一気に青ざめた世界が、
告発によって
晒された、
すべてが醜く青ざめていた中で、
線は途切れた
開かれてしまった平野を目の前にした、
挨拶が燦燦とうんざりするほど降り注いでいた、
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選出作品
作品 - 20061110_474_1656p
- [優] Nuits sans nuit - ikaika (2006-11)
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Nuits sans nuit
ikaika