迷いは
何に対して迷うか決めかねているのか
ぼうぜん
夕闇の色の淡さを体内にとりこもうとして
お腹に空がささったらこわいよ
幼い頃のようにコンクリートの上にだって寝転んでしまう
口の中がなまあたたかさで一杯になる
お家に空がささったらこわいよ
コンクリートのまな板で魚のようにもがいて
早く帰らないと暗くなってしまうのに
動けない
夜の坂をからだに感じ
お腹にひびく ドオ ささったらこわい
幸せだ幸せだとくりかえし
くだびれた足を動かせ
けばだった灰の犬が月を示す
あんなに黄色すぎる月には目がつぶれてしまう
お腹がつぶれてしまう
月に死んでしまう
犬は幸せだ幸せだと瞳に語るだろう
月はただある
迷いは
感情などではない
この気持ちはただ悲しい気持ちだ
幼い頃のようにコンクリートは根気よく熱を保っている
ひざのうら側が汗ばんでいる
口の中がなまあたたかく風が吹きぬけると
ここに世界のすべてはあるか
星は雲はわたしの口に 見えるすべてのものは
わたしがつぶれてしまう
犬のしっぽの先に 本当に真実がゆれた
手を伸ばす 体は這いつくばったまま
最新情報
選出作品
作品 - 20060923_689_1561p
- [佳] 悲しい気持ち - コラコラ (2006-09)
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悲しい気持ち
コラコラ