あなたが死んだ日に
僕はどこまでも並木道で
一回聴いて忘れてしまった歌を数えながら
星空を噛んでいる
全てのラベルを「可食」に書き換える人たちが
静かにオルタネイトの往復を始めた
三日目のラマダン 風を和らげて
僕は新しい女の子を抱けるかずっと考えてる
6弦のテンションが途切れませんように
そうやって坂道でいつだって かかと履きつぶして
棺を打つリズム そっと裏拍にかえたよ
ソーダのあわ立ちの下で
ほら、子どもたちはプロペラにロープを結んで、初めての呼吸みたいに走り出したんだよ。腰まで埋もれた麦畑でみんな裸足になっていく、地平線の見える丘から、降り注ぐ泡立ちと濃度と境目の曖昧さで、跳びたてないとしても、飛びたてないとしても、それはもうそんなに問題じゃない、いつかチェリービーンズの雨が降るとしても、それはとても。いつだって、とても。出来れば、ボタンはもう一つはずそうよ。
ライムの切れ端にまとわりついたあぶく
そういう風にだけ いつも飛行機は海を越えていく
全ての並木道が上り坂なら
こっそり彼女たちは飛び立っていくんだ
海岸線を歩く人がゆっくりと、砂くれ足の指先で掴みながら、まずカフスボタンから外すルールを、これからも密やかに守り続けるとだけ、祈りながら離れていく大陸のために、ただ飛行機は飛び立っていく。全ての並木道の麓にたって、注がれるソーダを浴びながら、あなたが居るのはいつも素敵なことで、夕暮れの方向を示すような含羞に頬染めて、全ての飛行機は海を越えるためだけに、食べられそうなものならみんな食べてしまう僕ら。
寝床にはいつだって棘がある
棘のある草にはいつも真っ赤な実が実る
降り注ぐチェリービーンズと満たされたソーダ
全ての飛行機は海を越えるためだけに
ラマダンの終わりみたいな慈しみのなかで
そっと数を増やしていくストロークのように
一つもマイナーコードを使わない演奏の中で
ただ幸福な女の子のように
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選出作品
作品 - 20060901_266_1514p
- [優] スカイリッキー - ケムリ (2006-09)
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