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作品 - 20060720_551_1430p

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寂しき者の歌

  まーろっく


夜の底を川が流れておりました
桜の古木は咲いて
花を散らしておりました

寂しき者がふたりして
抱き合い眠っておりました
指をからめておりました

いや、眠っていると見えたのは
もうなきがらでありました
肌に触れる花びらもくすぐったくはなく

いや、ふたりと見えていたのは
やはりひとりでありました
誰もいない夜をもう悲しみようもなく

寂しき者のなきがらは
ほとんど桜に埋もれて
あたりは静かでありました

それでも花は降り積もり
清い砂礫を川が運び
花が埋めて砂が積もり
やがて寂しき者の丘ができ

寂しき者の丘にマンションが建ち
マンション建ってともし灯ついて
丘いちめんにともし灯ついて

星空に舞い去っていくのでした

文学極道

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