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作品 - 20060110_281_895p

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nagaitegami

  一条

長い手紙を書いている途中に私は眠ってしまった。男は長い手紙を読もうとした。長い手紙はこの国の言語で書かれていた。長い手紙を読了するのには想像以上の体力と知力が必要であった。残念ながら男にはそのような体力と知力はなく長い手紙を読了することは出来なかった。私はそれでも長い手紙を書いた。書いている途中に眠ってしまった。テーブルの上には書きかけの長い手紙があった。男は首を傾げ書きかけの長い手紙を読んだ。長い手紙はこの国の言語で書かれてはいるが後半部分は空白と不可解な改行により読み進めるのには相当の我慢が必要だった。私は長い手紙を書いている途中に眠り男はすでに読み始めていた。男はひとかたまりの空白に出会うと息を飲み不可解な改行には奇声を発した。しかし長い手紙が書きかけであることに男は最後まで気付かなかった。あるいは男はこの長い手紙を読了してしまったのかもしれない。長い手紙を書いている私は眠り男には少しばかりの休息が必要であった。男は長い手紙を読み始め私は長い手紙を書き始めた。私は男の様子をうかがいながら時折筆を休めることにした。長い手紙は書きかけであるが果たして私以外の誰にとってその事実に意味があるのだろう。男は首を傾げ私が意図的に作成した巨大な空白は男を飲み込んだ。不可解な改行は繰り返され私は眠ってしまった。テーブルは倒れ同じように男は倒れた。長い手紙を読了するのには想像以上の体力が必要であったのだ。男は長い手紙を読み始めたようだ。私は長い手紙を書き始めた。いつものように私は眠るのだろう。私のそばでは知らない男が倒れている。男はきっと私の長い手紙を読もうとしたに違いない。私は長い手紙を書いている。知らない男が倒れている。テーブルは倒れ同じように男は倒れた。繰り返される不可解な改行は長い手紙を飲み込み果たして空白には意味があるのかもしれないが私は頭痛、奇声を発した男はテーブルと同じように倒れ仰向け、長い手紙のほとんどが空白であることを知り、この国の言語か、意味はあるのかもしれないが、長い手紙は、不可解な改行と同じように私は男は私は、読んだに違いない後半部分を、きっと眠るだろう、不可解な改行は飲み込み、テーブルは同じように倒れている。私は長い手紙を書いている途中に眠ってしまった。今では誰も長い手紙を書きたがらない。誰も書きたがらない長い手紙は私を書き始めた。仰向けのまま男の奇声を発した。さて、私を今から長い手紙は書かなければいけない。イッタイ長い手紙が誰なんて読むというのだ。書いてはいけない。同じように私を仰向け手紙を書いている私を眺めアイツハおかしくなったテーブル倒し改行、奇声と頭痛、ソレデハkochirakara連絡サシアゲマス

文学極道

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