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作品 - 20051007_337_591p

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空腹と痩せた猫

  アメ

晴れた日の海沿いの路地には猫が落ちていて
3秒見詰めるとにゃぁと鳴くのだ
と 君が言う

言われたとおりに歩いてみたら
やはり沢山の猫が昼寝をしていて
しかし見詰めたら順番に逃げられた

君は隣で微笑んでいる


この陽だまりの裏側で
わたしは痩せた黒猫を食べ
黒猫は良いよ良いよと鳴く
ちらりと君のことを
海沿いの路地を思い出して
わたしは切なくなるけれど
痩せた猫と一緒に良いよ良いよと喘ぐのだ
何度も何度も
良いよ良いよと喘ぐのだ


さて陽だまりの中

君の髪は金糸の如く日に透けて
この肩を抱き寄せる腕は力強く温かく
ああなんて満ち足りた気分だろうと
わたしはうっとり目を閉じる
しかしなぜだかお腹が空くのだ

黒猫はいつかわたしに咬み付くに違いない
その痩せた腹に飲み込んでしまうに違いない
今は良いよと鳴くだけだけど
いつかは海沿いの路地も崩れて消える


しかしなぜだかお腹が空くのだ
君の横でもお腹が空くのだ

文学極道

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