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作品 - 20050817_291_402p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


ダチョウの足元に気をつけろ

  ミドリ



鉄くず工場で
僕らはビックバンに台風の目を埋め込む
ボイラー労働者

まだ幼いコドモをステテコに背負い
女教祖がM字開脚する
その黄泉のつぼみへ
ハートのBボタンを16連射

星でNASAが盗撮した
ジャージ姿の宇宙人の
ハレンチでオーボーなタレこみネガを
金ゴテで焼き

最終兵器を念力で操れる
C組ののぶ子ちゃんの
ブラ姿を見たさに居残る
体操服 黄昏時の放課後

カブトガニの甲らを
やや深めにかぶり
黒電話のダイヤルに
しがない人差し指を鍛える
しろたえのエクトプラズム

ブチックが3軒できれば
銀座通りと名づけられた田舎の商店街の街で
いまものぶ子ちゃんの入れたての
ぬるいスープのバイブレーションを感じる

校庭の楡の木にみんなでのぶ子ちゃんを縛った
僕らはみんながガンダムのようにヒーローで
バッファローマンのキン消しを
国語の時間に後ろ手にまわしあった

生徒会長のまさのぶの
チヤクラを啓くような朝礼の独演
僕らは中間テストに
孕んでいく記憶をカズノコのように
次々と産み
たこ焼きのような整然とした
教室の40マスの一つ一つに
それぞれの飽和を
ピクリとも動きやしなかった

マラソン大会でいつも宇宙と交友するように
先頭を駆け抜けて行ったやすしは
今年も資生堂のアンカーだろう
彼はいまも風のスコラ哲学を両足で駆け抜ける
マンタ

どこかで何かが崩れていた
C組ののぶ子ちゃんのランドセルに入れた
僕らのバイブなたて笛は
今も怪しげな光沢を放っている

あの駅前のインベーダーゲームにためらい
そしてゲームオーバーを叫んだ
のぶおの祈祷のようなベイブな表情が
白痴を噛むような
僕らの表情のどこかで
後ろ側からヘッドロックを
今もしっかりと入れている

日本からアイルランドへ流れる
進化の動きをくいとめなければならない

自慢の前歯にレジスタンスを喰いとめ
赤信号に立ち止まるダチョウの群れの背を押し
唐突な平和への降伏を極限状態へ追いやり
JRの駅長さんが誘導する
中心への無条件降伏の朝を
バーゲンセールの前かごの利他行為を見張り
異端とみなされないための
斜め45℃体温を背に持ち
連合国側の不発弾の眠る
ジョシコーセイの体を
65歳 定年後のにわかオタクたちを
すみやかに
そしてゲンジュウに包囲せよ

文学極道

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