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作品 - 20050722_964_345p

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宇宙船の着水

  末上シン




雨が止んでしまった

希望はいつも
振り返ると消えてる 霧のように
懐かしい匂いだけ残して
ここ(町)を離れてく

誰かに、伝えるはずだった
愛しさは
僕の肺に吸い込まれ
また迷路みたいな宇宙で苦しんでく

ねぇ、孤独を黒く塗り潰したいよ
泥だらけの水溜りに飛び降りても
汚れてゆくのは、真っ白なスニーカーだけ
僕はずっと本物になれない

今こころは
誰を求めて、だれの自由を探してるの
世界は夢になって
僕だけが眠れずにいる

二度目の雨が止んだ後
スニーカーの先が宇宙船に見えた
アディダスのlineを流れる泥だけが
地面にゆっくり点をつけ、
弱い音で 着水してゆく

文学極道

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