複雑に組み重なった、紙芝居のような、
生まれる羽根の、あなた
わたしは言葉で、それに答えなければならない
____「あなたは角笛だった」と、
望むことなく青かった、空
わたしのいない土地で、
地上の樹には靴が掛かっていた
そしてそれは、異邦人の戦略だった
わたしを睨みつける。向こうから、
ノコギリ引きの、空がやってきた
僕らから輪郭を千切りとった、鈍角の
胴体を奪われた、白鳥の群れ
どの空にでも舞う、あなたに届くことのない、起点
僕らはそれを、待っていたはずだった
こうやって、言葉にするまでは
「私の中の双子が歩き出す。雨の中を、寄り添いあって。」
ようやく抜け落ちた、その音素
器の中で混ぜ合わされた、新しい星座
それは結び付けられる。痕跡に添って、
その無尽蔵な、あなたの、
延長されていく、黒い滑走路
異邦人の目指す終着地
樹の下には、あなたが埋まっている
だがそこは田園なのだ、喜ぶべきことに
あの頃。角笛の中で話しあった、裸足のままの、
望むことなくあった、星空、
ようやく抜け落ちた、その言葉、
樹の下で重なり合った、全て
二人して、白鳥のように
選出作品
作品 - 20050620_664_273p
- [佳] 白鳥 - Nizzzy (2005-06)
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白鳥
Nizzzy