高まりをなだめて
冷却するその瞬間にさえ
次なる波が襲いかかる封じがたい焦燥が
まだ、おまえには隠されている
冬空へと向かう
その無数の触手は
大気のいっさいの水分を吸収する渇きだ
おまへの体内に流れている
その理性はあまりに真っ直ぐで
その感情はとても痛々しいけれども
なぜか晴々と語りかけるその姿に
おれは立ち止まり、嫉妬してしまう
枯れ木よ
見捨てられた悲しいものよ
おまえの新たな産声を聞かせるといい
たくましい命を見せつけるといい
この軟弱な耳と目に、この枯れたこころへ
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選出作品
作品 - 20050507_292_214p
- [佳] 枯れ木 - 丘 光平 (2005-05)
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枯れ木
丘 光平