友だちのサンダルは規則ただしく坂をくだっていって落葉の
温もりがそのうえに降り積っていってわたしは
胸をしめつけられる
のでした
彼女はうつくしくとてもわかい
朝にはあかるさが満ちている
(あかるいのは光が射しているからだ
風景を組成するこまかなもののすきまというすきま)
落葉は幾層も幾層も坂に降り積っていって冬が
終われば消えてなくなりますがほんとうは
ずっとずっと降り続けていていつかわたしたちは
頭まで落葉にうずもれる
のです
(彼女を組成する光のすきまというすきま)
つまさきまでびっしょりと濡れて
門脇に立つ朝の
湿り
友だちのあとをついて歩くわたしの運動靴は
なんの躊躇もなく落葉を踏みつけていって
彼女は眉をひそめわたしはかなしいかおをつくり
彼女のほうをじっと見つめる
のです
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