セイヘロートゥー。。。セイヘロートゥー。。。片言の英語で、伝わるかどうかも分からない相手に、何か伝えようとする。伝言は、頼んだ時点で、効果を発する、セイヘロートゥーいつかの親友/セイ、いつかの帰り道、何だかよく分からないけれど美しいものたちでみちている(気がする/した、昔母親だった女が捨てられた小犬に母乳を与えていた。ふるえる小犬の口まわりがみるみるうちに濃い白に染められていった!/のでした、それは、きんじょ の はたけ こううんき の
けた たましい こうかおん(と一緒に、ぼくの頭から離れてはくれない、れない、られない、れ、ない、いい。目の前は真っ赤になった! 小犬、小犬が勢いあまって、強く噛み付きすぎた、せんけつ。いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?いたい?/あのひとは無痛病だった/かもしれない。ぼくは、あなたの側にいたい、いたい!
病院のベッドの上、という自由のために、いつかの親友が死んでいった。あの日。前日は雨でしたから、踏み出す地面踏み出す地面、水分が水分が水分が、あふれ あふ
あふれ 過ぎていた。
じめじめ じめじめ じめじめ/ん
そこからたくさんの生物たちが、
(うまれて)
のどが渇いているのか、
捨てられた小犬は夢中で、水たまり
に顔を突っ込む。きりのいいところで、水分補給はやめにして、「きみは そうぞうにんしん で うまれた子さ きみは そうぞうにんしん で うまれた子さ きみは そうぞう そうぞう、そう」と、小犬がつぶやいた。そうぞうにんしん そうぞうにんしん そうぞうにんしん? そうぞう/力豊かな小犬を、いつかの親友にも、見せてあげたかった/な、いてる? にんしんせんを指でなぞっていった先には、いつもいつかの親友、そうきみがいたんだ。ぼくはきみと一緒に毎日のように渋谷で遊んだし、原宿で買い物もしたし、同じ女に恋もしたし、近所の公園(通称三角公園)で暴走バイクが通過するのを見届けたりもしたし、したし、したし、したし、した、し? きみは、地理が大好きだったから、学校で配られた地図帳に、少しの迷いも無く、国境を書き入れて、これがにんしんせんだと教えてくれた。/から、毎日まいにち、指でなぞってたから、にんしんせんが薄くなったのかもしれない。 ごくまれに国境が書き換えられ
てしまうと、
ぼくたちは もう一度 うまれる
というのも
きみが 教えてくれたことで、
で、
病院のベッドの上で、きみは、もういちど、もういちど、もういち、、何度もつぶやきながら、人さし指で真っ白いシーツの、
あっちをこすったり
こっちをこすったり
何度もいったりきたりさせていた。やがて、それは、にんしんせん、まだ開かれていないにんしんせんになって、そこからうまれた。
ある朝、小犬はぐったりしていて、口からは真っ白いのが逆流していた。全く動かなくなった小犬を抱き上げて、あったかい、あったかい、あったかい! ぼ、ぼ、ぼにゅう が まだ あったかいよ! ぼくたちは、想像する。もういちど、うまれてくる日。/は、小犬かもしれない、異性かもしれない、外国人かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、かもしれない、
/? 、小犬の死骸に、母乳をあたえる、昔母親だった女
/に
「セイヘロートゥー
いつかの親友
/セイ、
ほら、こぼれた母乳があたらしい白地図を描き出しているよ。もういちど、もういちど、もういちどだけ、いっしょに指を動かして、国境を描こう?
セイヘロー セイへロートゥー
いつかの親友
/セイ、
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20070629_558_2162p
- 前田ふむふむ :
こんにちは。葛西さん。
屈折した言葉が、たくさん出てきますね。
昔母親だった女→あのひと、いつかの親友、子犬、そうぞうにんしん、
こういう言葉が、目立って出て来るのは、作者が、屈折している意識構造を
しているのではなく、詩自体を、いわゆる偽善から、できるだけ、
遠くに置こうとする、恐れないし、意図が窺えるようです。
>ぼくは、あなたの側にいたい
その相手が、ただの母親でしたら、ただの良い子で、少しも面白くないですからね。
某所では、評者に、詩を崩していると言われているようですが、
私には、作者が、自分の詩が、どちらかというと淡白な言葉群であることを、よく知っていて、
より、強度を付けようとして、油絵のように重ね塗りをすることにより、構築しようとしており、そこで、多くの反復の言葉が生まれているのだと
思います。その成果として、いわゆる叫びのように、厚みと広がりを映りだしています。
でも、言葉が良い意味で軽いので、重厚さは出て来ませんね。
気になるところは、葛西さんのオリジナルかもしれませんが、
>みちている(気がする/した
こういう表現、色々な角度から見えて、多様なように映りますが、
言葉の責任回避のようで、
像が、ぐらぐら揺れている様で、芯がないように見えます。
多様性は、はっきりした断定的な言葉から、生まれると思うのですが。(私見)
あ、読む人によって違いがありますので、気にしないで下さい。
何気なき、上手い表現だと思ったのが、
>病院のベッドの上、という自由のために、いつかの親友が死んでいった。
>ごくまれに国境が書き換えられてしまうと、ぼくたちは もう一度 うまれ>るというのも、きみが 教えてくれたことで
葛西さんの詩は、わりあいシンプルなイメージがあったので、
こういう詩は、始めて読ませて頂きましたが、
でも、どうでしょうか、こういう手法は、あまり長続きしないように思います。手法のマンネリに、いずれ、行き着くと思いますので。
ですので、その後の葛西さんが、楽しみですね。
('07/06/30 22:12:30)
- ニャンコ先生 :
どうも、葛西さん、初めまして
ニャンコ先生です
私もここに感想を書こうと思います。
まず作品の序に当たるセイヘロトゥーの引き込みからコケてますね、ここで詠む気が失せました。次にテクニックなんですが、いい加減スラッシュあきました/のです/dakara?
みたいな感じ?/しました。
のように表現の若さ加減に腸がよじれてクソも出てこなくなりそうにもどかしい文体やめればいいんではないか、な?
と、思いました/ません。
どうでしょうか?
自分は酷評が大の苦手なのでしどろもどろ酷評を挑戦してみましたけど、って書いたものを言い訳するなんてダサいか、へへ屁(テレ屁をしている)
でも葛西さんの詩は凄く魅力あるので期待してました/ます。しました。
失礼しました/ます。
ニャンコ先生でした。 ('07/07/01 11:42:10)
- ミドリ :
こんにちは、葛西くん。
ちょっと説明くさいところが、気になりましたが。そこそこ?笑 面白く読ませて頂きました。ルイス・キャロルは絵文字やパズルの趣向こらして、手紙なんかを書いていますが。そういった手法を、先駆者として葛西くんは追求していっても、才能を発揮できるんじゃないかなー、という。そういう感想もでてきましたね。ポエムに於けるパイオニア・ワーカーとしての葛西佑也。この作品からそういうイメージも沸いてきます。これまでぼくが拝見した中では、一番ソフィストケートされた作品だと思いますね。
ただまだ、とても若いので、色んなことを経験されて(”特別”な経験は、全く必要ではありません。)、人格を成熟させていく必要があると思いますね。でないと、内容がついてきませんから。 ('07/07/01 12:26:29 *1)
- 葛西佑也 :
○前田ふむふむさん
こんばんは。まずは、ご批評ありがとうございました。このような手法というのがぼくにはよくわからなかったんです。ぼくは自分がどんな手法で書いたのかとか、ほんとうによくわからない。そして、それが効果的かとか効果的でないとか。ですから、そういうところを自分で考えてみるところからやってみたいと思いました。
○ニャンコ先生さん
はじめまして。苦手な酷評をありがとうございました。文体をやめるとかやめないとか、なんかそういう感覚ではないのです。うまく言えないのですが。魅力があるといっていただけたのはうれしかった。ありがとうございました。
○ミドリさんへ
そうですね、いろいろ経験していけたらと思います。パイオニア・ワーカーとかソフィストケートとか、言われなれないとなんか妙な気分になりますね。ありがとうございました。 ('07/07/02 01:09:20)
- 山ねこ :
こんにちは。
ちゃんとした批評はしたことがなくて、本当にただの感想なのですが。
苦さの混じった薄甘さ、生暖かさ、切実なもどかしさ、悲しいような卑怯なやさしい感じ、だなあと思いました。
前田ふむふむさんがおっしゃるように、言葉の責任回避はヒキョウだし安易に使われるとすごく腹が立つのですが
でもこの詩の場合はもどかしい言い切れないものがモノとしてどっしりあるのでこういう表現しかないのだろうか、と思いました…。
ふつうの言葉では言い切れないものが、詩の言葉で繊細に掬い取られていて
魅力的でした。
次回作、楽しみにしております♪ ('07/07/02 01:47:30)
- まーろっく :
生への怖れやおびえが切なく綴られています。体験と幻想と叫びが入り混じった世界ですね。リフレインが何箇所もあり、自動筆記風の作為ともみえなくはないのですが、リフレインすることで言葉を呼び寄せているような躍動感、生の感覚を表現しているようにも思えます。従来の作品よりも力強い感じがしました。 ('07/07/04 22:34:24)
- 透雪 :
葛西さん、こんばんは。
私はあまり現代詩的なものは読まないのですが、疲れさせずに読ませるところが素敵だなぁ、と思いました。
ただ、本物の母乳の出るところや妊娠線、見ることが出来たらもっと違うやろなあとも。触れたらもっといいでしょうね。
頭の中で作り出されたものとわかってしまうので、温度というか体温みたいなものが感じられず、寂しいのです。
葛西さんならもっと素敵に書けると期待してしまうからかもしれません。 ('07/07/04 23:58:11)
- 稲村つぐ :
んんー、朗読してみたいですね。とてもおもしろい作品です。ミドリさんが作者の経験云々とおっしゃっていますが、
読者の経験を呼び起こすだけの器としての機能は備えている作品だと思います。
ちょっと構造として安易かなと思う節は、
>セイヘロートゥー。。。セイヘロートゥー。。。片言の英語で、
>学校で配られた地図帳に、少しの迷いも無く、国境を書き入れて
という絡み方。直ではないにしても、安易に接触しているかのように見えてしまいます。
また、モチーフの実像に沿ったものだとしても、ひと工夫してもよかったのでは。
生々しい表現も織り交ぜながら、エグミがない。そこが、良い点でもあり、人によってはもの足りない点、になるのかもしれません。 ('07/07/07 18:42:21)
- m.qyi :
ぼくはこの作品は力強くていいと思います。”気がする/した”というのも反省で別のテンスを要求する言語もあるでしょうから、日本語で/する/というのか、/した/というのか決めにくいと思っても当然でしょう。そのほかの場所でも、心理の形成と対応して書かれているのではないないかと思うのでいいです。“迷いも無く、国境を書き入れて“、漢字を交えて連用形で繋いで書き言葉であったりしてコントラストが効いています。括弧がとじていないと思われる部分や、行わけも技(と)らしくないくていいなと思いました。
これは、お書きになったときにどのくらい時間をおかけになりましたか?よろしかったら教えていただけませんか? ('07/07/07 19:51:48)
- 葛西佑也 :
○山ねこさん
ありがとうございます。これからの励みになります。次回も、同じようにあるいはそれ以上に感じていただけるように精進したいと思います。
○まーろっくさん
自動書記風というのは面白いですね。たぶん、自動書記ではないのだと思います。やっぱり、ぼくが詩を書くときは、確かに感情に任せてはいるものの、考えてはいるわけで、それも含めてぼくの感情なのだなぁなどと考えさせられました。ありがとうございました。 ('07/07/08 00:51:01)
- 葛西佑也 :
○透雪さん
現代詩的なものが、いまいちどういうものなのかわからないのですが、
>ただ、本物の母乳の出るところや妊娠線、見ることが出来たらもっと違うやろなあとも。触れたらもっといいでしょうね。頭の中で作り出されたものとわかってしまうので、温度というか体温みたいなものが感じられず、寂しいのです。
というのは大変ためになるご意見でした。ありがとうございます。 ('07/07/08 00:54:39)
- 葛西佑也 :
○稲村つぐさん
朗読は近々、どこかでするつもりでいるんです、この作品。上手くできるかは不安なのですが。安易に接触しているというのはどういうことなのか、いまいちわかりませんでしたが、エグミの無さがプラスでもありマイナスでもあるというのは納得できるご意見でした。ありがとうございました。
○m.qyi さん
ありがとうございます。そうですね、時間ということですが、難しい質問です。この詩を書き始めて書き終わるまでというのであれば、一時間〜二時間の間でした。ただ、この詩を書かねばと思ってから書き始めるまでの時間というのは相当長かったように思います。それはこの詩に関してだけいえることではないのですが。書き始めるまでが長くて、書き始めるとかなりスムーズに書き上げてしまいますね。 ('07/07/08 00:59:01)
- 枷仔 :
こんばんは。
>セイヘロートゥー
チープな挨拶の反復でしたが、私は好きな響きでした。
反復がいたるところに顔を出し
「ねじれ」(ねじれ切れてはいないと思うけれど)を生み出そうとしていて、
そこが、
ウットオシイといえばウットオシイのですが、
話者の空回りを示していているように思い好ましかったです。
語が軽い、という上の指摘には私も同意です。
でも、その「くうき」のような軽さは自然と吸い込めるようで、
読みやすさはありました。
(読みやすい詩、というのは評価できる点だと思います。)
でも、
その読みやすさが私には物足りなかったし、
逆にスラッシュや開きっぱなしの括弧などが浮いて見えるように思えました。
これは、
スラッシュの必然性(語の厚みを打ち消して話者の「ぶれ」を表出させているように思える点)
を、読めたと思ったのですが、なんか変。
これは、語の反復との多重さが(まあ、ようは「くどい」ってこと?
鼻につく感じでしょうか。
ちょっと話はそれますが、
詩の表示としては、手帖に掲載されたものより、広がりのあるこちらのほうが私は好きです。
それでは。
枷仔 拝 ('07/07/08 01:04:40)
- 葛西佑也 :
○枷仔さん
スラッシュや、括弧に関しては賛否両論ありますし、良い点悪い点自分でも模索中です。自分の中では必然性は確固足るものがあるというか、こうしなくてはみたいな感覚があってこうなっています。リフレインなども同様です。ただ、マイナス意見も積極的に受け取っていき、糧にしたいと思っていますありがとうございました。
追伸
某所詩会にて、大変遅れましたが感想を書かせていただきました。 ('07/07/08 01:23:41)