12239 : 文学を辞めて早く切腹しなさい なまえをたべたなまえ '20/11/28 19:27:51
朗読をやめなさい
朗読をやめて生きていく支度を始めなさい、と、現代詩は洗濯機に言った。すべては、世界の中で、と、バルコニーで叫ぶ三島から垂れる汗が彼に囁いたが、血の味だけが風に広がった。奇跡で磨いても、スーパーカーになれなかった僕の軽自動へ。助手席には、あの夏の日差しの下で、一緒に虫取り網を振り回して、蝉を捕まえた神がいる。この神と今から海へ。大人になれなかった最低の僕らがどんどん透明になっていく。そこの透明になれなかった気持ち悪い君。ダサいから今すぐ朗読を辞めなさい。
批評はいらない
批評はいらない。ポケットに入らないものは全部捨てる。ずっとサバンナだった、遠くを見ながら彼は言った。ずっとずっと、もうサバンナだった、愛を囁いても、飢えを訴えても、ずっとサバンナだった、野球もサバンナだったし、田中もサバンナだった、そして、批評もサバンナだった。サバンナ的批評。批評を書くには、詩人を辞めなければならない。詩人には批評は書けない。なぜなら、馬鹿だからだ。馬と鹿が、サバンナを走る。詩を書く人は、そのスピードのついていけない。涙はいらない、だから批評もいらない。どうせ批評なんて書けないのだから諦めなさい。
感想を終わりにしよう
ヒューストンでは林檎が落ちない。宇宙人のいちばん長い日。髭の語源を探すための百億光年の孤独。孤独にはくしゃみが必要だ。そこには、く、で始まる途方もない苦痛がある。く、しゅん、と、書いて、絶望と、宇宙人が読んだ日。感想をもうやめなさい、と、人間宣言が始まる。感想なんてAIでもかけちゃうね。生きてる奴なんてどうせいない。感想なんて書いてるのは死人ばかり。
それ以外
世界と小麦粉を練ることの相関関係がパンを明日焼くための朝、と、長いフレーズを今山のように作ってる。何がしたのかよくわからない、のじゃなくて、心だとか、苦悩だとか、思い出とか、未来だとか、社会だとか、そんなくだらないものを書いても退屈だからね、先生。日記帳の散文書いてるやつの頭の悪さ。まぁ切腹でもするならおもしろいよ君。でも、君、凡人なんだからやめたほうがいいよ。君の人生にあるドラマはどうせ安いし、みんな飽きてるよそれ。
ずっとだるい
人の心が言語で表現される、と思っているのは恐らく人だけだ。ましてや、心がある、と思っているのも人だけだろう。だろう、を間延びさせていくこの息に涎がついてくる。家に文体を持ち込むときになる音楽を階層的にしたためる。絨毯と口にするたびに編まれていくソビエトの甘い記憶、そして、何かしらかの虐殺が行われる、という予感だけが早い。玄関では、人が待っている―この記憶はいつも曖昧だ。曖昧さを解体するための食卓で話される言葉。塩ではなく雨、スープではなく猿、フォークではなく木々、人ではなく生。スマートフォンで幽霊の着信を待つ、隣に座る人が席を立って外の靄の中へ消えていく。着信を始める一斉に。やっぱり猿だ。頭は6kgの重さで思考をとどめて居る。夜道で遠い遠い夜を想像する。ブエノス、アクラ、シャンハイ、そして、ブレードランナーの2019年11月の酸性雨の降るロサンゼルスの夜。夜の果てへの旅へ、文学を辞めて切腹を始めなさい。
恥ずかしいだろ詩なんて書いて やめちゃえよ
恥ずかしくない?いい年こいて詩なんて書いてさ。孤独も百年続くとさ、マルケスになるんだよ。百年の孤独に耐えられる孤独が百年。長く生きてさ、くそみたいな詩書いて死んでいく。そうだね。皆、マルケスにはなれない。だから切腹したほうがいいよ。文学を辞めて血を流しなさい。詩を書くために心を作る。詩を書くために私を作る。詩を書くために作品を作る。逆はしない。なぜなら、逆はないから。早く気づけ馬鹿ども。
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