壁にも 空いた、うすぐらい

 みつとみ  '16/10/26 21:18:41

壁にも 空いた、うすぐらい
あることに気づかれず
探せば見つけ出すことができる
半ズボンが壁から抜け出してくる
小学校のひび割れた校舎
蹴られる背
水の張った校庭
町工場の錆びたトタン
敷地のバラ線が絡まり
ペンキ臭い鉄骨の体育館
頭から落ちる床
台風の後の空き地に朽ちたブロック
住宅街近くの忘れられた防空壕のセメント
工事現場の貯水槽のシルエット
公園の古い壁に
ひとりでボールを投げつづける
身をすぼめてくぐり抜け
たしかな光のほうへ抜けようと
砂場でみなに囲まれて踏み続けられ
胸にも 空いた
見ることもできずに
望んでもふさぐことが難しく
さとるに語ることができない
気づくよりも重くなった体をひきずって
叫ぶこともできずに唇をかみ
己のやせた胸へと戻っていく
ただこもってしまう日々にまたひとつ空いていく
いつもは隠れている
ふとしたときにその向こう岸をみせてくれる
草地の犬が背をまるめる
壁にも 空いた、うすぐらい
夕暮れに団地に帰っていく
行き場のないランドセルの背

天気雨がふりそそぐ、塀に囲まれて
ジャケットの襟をたて、ゆっくりと天を仰ぐ

*近日、Amazonで販売予定の「狼」29号から
 次号以降の参加者募集中につき、関心のある方はメールにて。

  • 三浦果実 :
    みつとみさん
    こんにちは。三浦果実と申します。詩歴も何もない者ですが、
    『壁にも 空いた、うすぐらい』についてコメントさせていただきます。
    私は、昭和43年生まれですので、おそらく、みつとみさんとは同年代です。
    昭和50年代の原風景を良きイメージとして抱いている私からしますと、今作は、その原風景を誘う作品です。当時はそこら中にいました。ひとりで壁に向かってボール投げしている少年。僕もその1人です。その浮かぶ原風景には、当然ながら「音がない」のです。音が記憶から消えていくこと、その喪失感は大きい。この作品、私は共鳴しました。何かが。この作品は僕の為に書いていただけたのでしょうか。
    ...省略部分  ('16/10/27 12:13:53)

  • みつとみ :
    三浦さん
    コメントありがとうございます。同世代の方ですね。当時はサッカーよりも野球が盛んでした。わたし自身は野球よりサッカーのほうがプレーは好みましたが。
    夕暮れの原っぱは原風景ですね。団地とか校庭とかもね。
    作品に3千円とのこと、ありがたく思います。詩に値段をつけるとそのような感じなのですね。
    詩とか芸術とかは、お金に換えられない価値(芸術的価値)と、お金に換えられる価値(商業的価値)とかがあるのでしょう。
    ...省略部分  ('16/10/27 16:42:42 *3)

  • 三浦果実 :
    みつとみさん
    早速のレス、有難う御座います。
    「協働」という言葉。私自身にとってもキーとなる言葉として覚えておきたいと、そう思いました。僕もムーブメントを起こしたいのです。ムーブメントの紛い物的なものでもいいかもしれません。結果的に成功しなくても、やるとなったら大変なことで、傍観者でありたいという気持ちが大きいとしても、みつとみさんへの礼儀として、なんか、言い切りたくなりました。僕もムーブメントを起こすプレイヤーでありたい。破壊的な負のムーブメントではなく。有難う御座いました。  ('16/10/27 18:24:10)

  • 泥棒 :
    ふむふむ。
    センチメンタルな感じだけではなく
    ま、やっぱり、うまいっすね。
    この場合の「うまい」はもちろん褒め言葉ではないです。

    ...省略部分  ('16/11/02 13:01:33)

  • みつとみ :
    泥棒さん
    そうですね、ほかの方々にも声かけておきますよ。ありがとう。  ('16/11/03 01:17:29)

  • 玄こう :
        
     主体を喪失した詩文
     述語形式のみで書かれた物を読むとそうして、実体を失い現象論にばかり収斂されていく有り様、そんな詩の世界観をみる。……(*)

     我々は、(詩も言葉も)=(絶対性や信や実…などが言葉として希薄なまま、多くの物事に接し生きて暮らしている → 相対的な配置ばかりを我々は感じ考え、それらを当然の世界観としそうしたなかから産まれる美意識。
    ...省略部分  ('16/11/03 02:25:44 *1)

  • みつとみ :
    玄こうさん。
    「わたし」「私」「わたくし」「僕」「ぼく」「俺」「自分」「おいら」ほか日本語には、
    自分を表わす言葉はいくつもあって、それぞれ自分のことなのに立場や印象そのほかが違ってみえます。
    「君」「お前」「貴方」「あんた」ほかこれもいくつもあります。
    「彼」「あいつ」なども。
    ...省略部分  ('16/11/03 13:36:25 *2)

  • 三浦果実 :
    みつとみさん
    コメントしなくてもよいことですが、29号をアマゾンで購入しました。届いたらワクワクしながら読ませていただきます。  ('16/11/11 11:57:50)


 みつとみ  '16/08/12 18:55:00 *3

   はがれた爪のように 水面に言の葉を散らしていきます
            白い光の底として
         たゆたう水が満ちていきます
    明るい音がしないのは 洞窟に光がこもるから
           わたくしの 腕から
        ほら 目が 生えていきます
          わたくしの二の腕から

         目が いくつも いくつも 
       生まれては そう 増えていく
       うっすらと その目が 開かれ
       なにがほんとうでなにがうそで
      なにひとつ悪いことをしていないのに
  信じることができずに あなたの指を落としていきます
     音がして あかい血が水面をただよい
        きれいにうずをまくころ
    指が くらがりの底に 沈んでいきます
        あなたに 知ってほしくて
      わたくしの肌を うすく一枚そぎます
    そうして あなた の 指 が しずむ とき
      わたくしの腕に 目がひとつ生まれます
        わたくしの肌が そがれるとき
      わたくしの脚に 鱗が一枚うまれます
    わたくしが たくさんの目をもつ魚となったとき
            あなたは
      ひとつの洞窟につつまれた湖となって
         暗い底から光をたたえます

          しずかに憂いながら
     泪のかわりに真っ白な微笑みをうかべて
         横たわっているのです
   あなたは わたくしという洞窟にとじ込められた
        泪をたたえた 湖なのです
       あなた の 指 を おとしては
          はだを 一枚そいで
         いきものの水がたまって
     わたくしの腕に 生えた目が濡れてひかり
    わたくしの脚に エメラルドの鱗がうまれて
         その光を底として
      いのちの水が満ちていきます
      その紅くとうめいな水をのんで
 悲鳴を偲びながら 爪のような言の葉を漂わせていきます
      ほの暗い過去が髪の長さとなり
      裸の背に月の光を浴びながら
       わたくしの胸に抱えられて
あなたの眠った蒼白の顔が微笑み 水底から浮かび上がります



*本当は縦書き中央揃え

  • 玄こう :
     二回頑張って読みました。率直に申しますと私読者は、この詩に感想を促したいほどの好さや、誰かに読ませたいために批評を付すことや、詩のなかから何か?、輝かしいものを掘り起こしたい、掘りあてたい、という解説も、出来ない、したくもない作品でした。

     すみません酷評になると思う。

     詩の流れが一環しているようで一環していない。
    ...省略部分  ('16/08/12 20:48:51 *3)

  • みつとみ :
    玄こうさん。
    早速のご批評ありがとうございます。なぜか「酷評」とは受け取れなかったのですが、たしかに「男がイロケを出す」のは難しいですね。でもやってみたかった。笑い。  ('16/08/12 22:12:07)

  • kaz. :
    みつとみさんは、中々表に出てこない印象があったのにこうして書いているということは、すでにかなりもうストックがお有りなのかな。書く体力を維持しているんだと思います。
    内容については、スタイルの必然性がよくわかりませんでした。なんで縦書きの中央揃えにする必要があったのか、またそこから生まれる何かがあったのか。
    それが、私には読めませんでした。すみません。  ('16/08/22 17:59:15)

  • みつとみ :
    kaz.さん、お読みくださりありがとうございます。
    いろいろ黒子的というか縁の下の力持ち的というかそういう役割のほうがいくつかの場で多いもので。性格も地味でして、はい。
    水とか光とかたゆたう感じのスタイルを狙ったというか、そのような感じです。  ('16/08/23 20:09:51)

  • アラメルモ :

    これも拝見いたしました。
    上の作品と同じように観念的な詩ですね。
    タブレットなのでいちいち文章を取り上げて評はいたしませんが、まるで感情から涌き出るように、身体的な痛みとして水そのものが喩化され書き込まれている。このことから水とは泪のことを指すのでしょうが、よろしいと思われるのは、この涙が身体的な蘇生や痛みとしてあなたに還元され書かれていることだと思います。なので、玄さんが一環しているようで~というコメントは当然で、もちろん感情には起伏があるからです。
    あなたとはまさに水であり涙でもあり、つまり生き物の感情そのものを指しているのです。みつとみさんの詩はわたしにとっては入りやすく理解しやすい。そんな気にもさせられる。。なぜかと申せば、あたまよりも直に胸のほうに響いてくる。言葉には操られていない美意識を感じることができる。それは胸に抱えたギターの音色。ダイヤモンドを散りばめた、きらびやかな輝きではないけれど。手のひらにある、オパールの小さなかけらのきらめきに魅せられるように。。これも経験と御努力の賜物だと思います。稚拙な感想ですね。笑。失礼しました。  ('16/09/11 18:25:38 *6)

  • みつとみ :
    すこし時間が空いたので、ちょっとだけ。
    アラメルモさん、ご感想ありがとうございます。
    そうですね、水はわき出たり、滞ったり、流れたり、にじんだり、かわいたり、姿を変えていきますね。
    十代、二十歳のことは観念的で難解な言葉を使っているときもありましたが、
    それ以降はだんだん、平易な言葉で書くようになりました。  ('16/09/15 13:29:03 *1)

  • 朝顔 :
    お初です。規定がよくわからなかったので、取り敢えずここに来てしまいました。
    宜しゅうございましたでしょうか?
    この詩、結構怖い詩だなと思いましたね。(ちなみに、私は技術的な批評や観念的な講評はへたくそです。)
    ロアルド・ダールの短編小説(確か。違ってたら申し訳ないですw)で、夫がやはり妻の指を一本一本落してゆく話があるんですよ。それは、愛の証というよりも、単純に夫が気が少々ふれていて、賭け事を妻とするたんびに、相手が負けると指を削ぎ落してゆく訳ですが。
    話がそれました。
    ...省略部分  ('16/10/22 04:37:58)

  • みつとみ :
    朝顔さん
    ご感想ありがとうございます。内面はそうですね、残酷性とずるさもあるかもしれませんね。「明治大正的なニュアンス」、それはちょっと偏愛的というか、江戸川乱歩的な怪奇性と叙情性というか、そのような感じでしょうか。そのようなものも確かにあるようです。わたしは、しずかに憂いてしまうのかもしれませんね。  ('16/10/23 11:28:23)


うしろ背

 光冨  '16/02/24 23:14:17

そのうしろ背の壁に
白い顔が浮かびあがっている
まっすぐ見ている眸に
群れのひとたちの歩き出しに
くすむ羽をすぼめている

行き交うひとたちには気づかれない
そのあおざめた空には
遠くうすくのびる雲が逃れている
そのうしろ背が舞っている
小さい点の旋回に
羽根の白さが落ちていく

空のペットボトルのなかに
乾いた風の音がこもっている
胸のこげた臭いを
コートの襟に隠して
眉をひそめてさまよっている
街角で配りものをする肩に
触れてはわるいから

空が雲に覆われて
湿り気をふくんだ風に
ひとが通り過ぎても気づかれない
街の表示がはがれ落ちた死角で
影がひとついなくなった

靴のかかとを気にして
膝をまげて深い帽子を落とす
その曲げたただひとつの背に
街の空が引っ掻き傷をつくる

還っていくひとたちには気づかれない
建物の影に消えていく
うしろ背にまたたく光がまぶたを開く

  • 泥棒 :
    静かすぎて
    なんて感想を書いていいのか
    わかんない。
    なので
    過去作品を読んでみました。
    ...省略部分  ('16/02/28 20:26:46)

  • 光冨 :
    泥棒さん、ありがとう。あとで、何か思いつけば、返答を加えさせていただきます。  ('16/02/29 12:17:06 *1)

  • ねむのき :
    みつとみさん、こんばんは

    三連がいいですね
    >空のペットボトルのなかに
    >乾いた風の音がこもっている
    ...省略部分  ('16/03/13 23:44:09)

  • 光冨 :
    ねむのき様

    こんにちは。ご指摘の部分、確かにそのようにも受け取れますね。
    わたし自身、この言葉はこういう意味で狙いだとか、この作品に関しては、言えないです。
    散文詩のシリーズやその前に書いていた改行詩の場合は、一つひとつの言葉の意味やイメージについて語れたのですが。
    ...省略部分  ('16/03/18 18:16:11)

  • 中田満帆 :
    やりなおし。なにもいってないに等しい。  ('16/04/02 23:53:53)

  • 光冨 :
    と言われてやりなおすひともいないだろうが。中田さん、ありがとう。  ('16/04/04 20:43:47)

  • 園里 :
    そもそも「うしろ背」というタイトルが気になります。「後ろ」の「背中」あるいは「背表紙」でいいのかな。「後ろ」にモノがある、という言い方で「背中」を問題にするのは、自分があるということを認識している、人の意識が作った言葉だと思う。

    ねむのきさんの視点を足掛かりにして、1、2、6連の何が違うのかを単語を中心に考えてみると、これらの連だけ「うしろ背」と「ひとたち」が出てくる。つまり「うしろ背」はつねに「ひとたち」と関係してくる。

    3、4、5連には「胸」があって「眉」があって「肩」があって「膝」があって「帽子」をかぶって「コート」を着て「靴」を履いてる人物が出てくる。「背中」だけないけれど「うしろ背」の意識はどこかにある。ここで思うのは、ほぼ全方位対応なんですよ。上下横前後全部ある。小さい点をあらゆる角度から旋回するように書かれている。「小さい点の旋回に/羽根の白さが落ちていく」それはつねに意識されてる。<平面/鋭角>とか<乾いてて熱いところ/湿ってて寒いところ>といった対句表現が多いのも特徴。
    ...省略部分  ('16/04/10 18:01:03)

  • 光冨 :
    園里様

    丁寧にお読み下さり、ありがとうございます。「全方位対応」という指摘はユニークですね。たしかにこの作品は「視線・視点」が描く折り重なる情景かもしれません。
    また「翼」も本来は鳥のように腕の変形のはずですね。  ('16/04/11 20:31:30)

  • 玄こう :
     人を壁の前に立たせ、ストロボを放つポートレート写真のようで、行きかう街の人らにみえる光背をみるようで、あるいは中世ヨーロッパの教会の天井壁画を思わせるようで……、モーリス・ユトリロが後ろ姿の小人ばかりを建物の隙間に描いた絵画を思い出させたり

    様々な光景が(絵的に)よみがえってくる。

     どんなショットからこの詩が出来たのかは私にはわからないが、車のなかからの感じもするし、街を歩きながらの感じもするし、様々な光景が『動的に』織り込まれている。
    ...省略部分  ('16/08/29 00:53:52 *21)

  • みつとみ :
    玄こうさん
    「うしろ背」という人物の像の立体的な絵画や動画を意識していたようです。
    「動的でありながらも描く言葉が絵的であり、しかも文面に描く様々なモチーフなどの距離間に眩惑させられる。」とはうれしい言葉です。ありがとう。  ('16/08/30 19:59:19 *1)

  • アラメルモ :

    拝見いたしました。
    わたしも園理さんと同じように天使の視点を意識させられましたね。
    そして、この象徴的な「うしろ背」とは、つまり人々の内面まで透けて見える精神性のようなものじゃないかと。天使には当然それもみえてくるのでしょう。
    観念的な茫漠とした意識で表されているのでしょうか。そういえば男は背中で語る、なんて言い方もされる。よくよく眺めていると、その人が背負う、生きてきた辛さや哀しみ。うしろ背の姿。なんとなく人生観まで現れてきて、性質までもわかるような気がしてくる。
    ...省略部分  ('16/09/11 17:19:46 *1)


あばら家

 いとう  '05/01/01 11:46:55




とかげの足音を拾っていくと
「かげろう」と呼ばれる庭で行き詰まった
兄さん
あれは生き別れの兄さん いいえ
姉さんだったかもしれない
が、
見えたりもする

通りすがりの犬に
犬ころと名前をつける 犬ころ
犬畜生でも良かったかもしれない
猫なんて名前はつけない
自由ではないから

あばら家は何かの手違いのように
窓のようなもので区切られていて
その揺らぐ影から
臭い立つものの名前を
聞いたことがあるような
気がしているような

自由と臭い消しはよく似ている
兄さんがそう言っている
姉さん
だったかもしれない
も、
揺らぎ始めていて
とかげは最初から
とかげの足音でしかなく
犬ころもやはり
揺らぎ始めていて
私の足には根が
生え始めていて
私の足音が
拾われるのを
待っている
そこにいる
根を生やしている
とかげのように

  • 榊蔡 :
    対象の扱い(不確定的)が夢のなかの認識に似ています。
    これは夢を言葉に落とし込んだ詩であるか、
    あるいは夢のような情景を狙った詩であると解釈しました。

    読み手として感じたのは、
    ...省略部分  ('05/01/02 15:33:19)

  • いとう :
    >榊蔡さん
    ま、もちろん、
    作者がどういう意図で書いたか説明するなんて野暮なことはしません。
    んで、
    寓話性からの切り込みは、面白いなと思いました。
    ...省略部分  ('05/01/03 18:21:52)

  • Canopus(かの寿星) :
    「『あばら家』、ですか」
    「『あばら家』、です」
    「ええと、これはつまり、この場にふさわしい詩として投稿した、いとうさんの渾身の一作
     即ち本物のオムレツとして考えていいわけですね?確かめておきますが」
    「……(笑)」
    ...省略部分  ('05/02/12 12:41:08 *1)

  • いとう :
    お。ありがとうございます。
    「その世界に読者がうまく乗っかれるような配慮もない」ってのは、
    読んでて、確かにそのとおりですね。うむー。
    確かに配慮してないなぁと、反省しきり、というか、
    ご指摘の部分、わりと俺の弱点だったりします。
    ...省略部分  ('05/02/13 12:42:10)

  • 千芳 :
    やっと読める作品が…  ('05/09/20 10:31:12)

  • シロ :
    この作品のように比喩ではあるが、そのまま読んでも味わえるものが私の好みの一つです。
    最初から、「これまるっきりの比喩です」っていうのは、ちょっとついていけませんもので。
    でも、現代詩というのは、それこそすべて新しいものが優先されるのでしたら、あれですが。  ('16/04/12 17:49:05)

  • 玄こう :
    はじめまして、いとうさん
    片便りの詩レスですが、感想批評をちょっと綴ります。

    >とかげの足音を拾っていくと/「かげろう」と呼ばれる/庭で行き詰まった/兄さん/あれは生き別れの兄さん いいえ/姉さんだったかもしれない/が、/見えたりもする

    ...省略部分  ('16/08/10 20:11:29 *5)


暖かい感触

 平川綾真智  '07/03/15 15:32:13 *2

― 楽あれば苦あり 苦あれば楽あり
  そう呟いて生活を、な
  描き続けた。ずっと、ずっと。
  まぁ、はっきりと解ったんだが
  ありゃぁ 、 嘘だ。
  描いた年数を観つめたら、
  苦しかモチーフなんて無く
  楽なんざ何処にもありゃしない。
  うん。だけど、だな
  描ききった苦の先に 見つかるんだ
  言い難い色が。
  塗り込めたい色を手にして
  私は、筆を止められやぁしない

顔に叩き付けてみた湯は 脳裏に恩師の言葉を被せる。
露天温泉に浸かる今日 見上げた薄く延びる紺へと
上る乳白の雲を描けず、あえぐ私の脳裏には 
恩師の言葉が流れ続けた。
土が寝呆け、欠伸し吐き出す 朝もやいに包まれて
霞んでいった私の中身。
昨日までの生活が熟む、こびりついた汚れは重く
あえぐ筆の動きを鈍らせ 紺に雲は上らない

身体を静かに湯で擦る。
もやいの中で、霞むことない恩師の言葉
そうだどうして 土の寝呆けた欠伸などに 
恩師の言葉が霞むものか
立ち上る脳裏へ私はますます、静かな擦りを太らせる。
擦れば中身に霞みは消えて あえいだ筆は軽く動き
再び見上げた延びいく紺。私が描く乳白の雲は
見事なまでに上り行き、そうか
全ては擦れば落ちるのか なんだ
心の汚れは  、 水性か

薄い紺へと乳白は 色彩を変えて上り続ける。
私が描くこれからの日々は 言い難い色に全て、満たされ
決して筆が止まることはない。
まだまだ包むもやいの中 いつか空の先までも
必ず描きあげる私。
伸ばした筆へ湯を叩きつけ 私に私は、期待を上塗る。
描き出された未来へと、浸かる 
恩師がくれた暖かい感触。
これから熟み来る苦が全て
楽しく 、 私は仕方ない

  • 凪葉 :
    読ませて頂きました。

    題名の通り、暖かさが残る作品だなと感じました。
    文はとても掴みやすく、素直に言葉が入ってゆきました。

    ...省略部分  ('07/03/17 23:26:36)

  • 池中茉莉花 :
    わかりやすい言葉なのに、選び抜かれた言葉。
    そして語られる場所の設定。
    平川さんがいつもおっしゃっている「作品にする」ということの意味が
    この詩の中にもあらわれていると思いました。
    わたしの場合、苦しいから、生きるために書き続けています。
    ...省略部分  ('07/03/21 17:42:46)

  • 匿名 :
    僕がかんじたのは、ホワイトロリータです。
    ブルボンの甘くさくさくしたおやつ

    バターじゃなくマーガリンが代わりに主張する。
    本当は青いんです。
    ...省略部分  ('07/03/22 10:32:59)

  • 池中茉莉花 :
    私が昨日書き込んだ、「苦しいから書く」というコメントは的はずれだと
    わかりました。お詫びします。
    なんとなく、「恩師の言葉」がほんの少し見えたような気がしています。  ('07/03/22 14:28:51)

  • 田崎 :
    こんばんは。

    自分で意識しているにせよしていないにせよ、書いたり話したりすることには何らかの意図や狙いが存在していると思うのですが。
    この詩の内容だけに目を向けた場合、おそらくこの詩を気に入る人は、平川さんの「真っ直ぐさ」とか、「純朴さ」とか、「人間味」とか、「信念」とか、そういったものを作品から感じて、(恐らくは感情的に)感動するのではないかと、思うし、平川さんもそれは、意識しているにせよしていないにせよ、わかって書いているのだと思います(多分)。
    表現というものに必ずと言っていいほど、付き纏ってくるこのような構造にも目を向けると、僕はこの作品の内容に感動するとかしないとかいう以前に、興醒めしてしまいます。あからさまに「感動してください」と言って出されたものに、まんまと感動する気になんて僕はならないですね。ただこういうのは、三人称を中心にして、フィクションとして出したら、恐らくそういうあざとさは幾らか、あるいは大分、消えるのかなーとも思うのですが。
    ...省略部分  ('07/03/31 02:35:40 *1)

  • 平川綾真智 :
    取り敢えずご挨拶までに。
    皆さんコメント有り難うございました。
    田崎さんには 「新屋敷二丁目〜」の方を批評いただきたかったかな、と。
    かなり書いたのは前なのですが、珍しく直球で好きな作品だったので投稿しました。
    多く勉強になりました。
    ...省略部分  ('07/03/31 22:52:31)

  • 田崎 :
    なにか、ひっかかるところの指摘だけでも片手落ち、かも、と思いまして、
    もちろん、比較的直情的ではない、2連目以降の、「私」の思いを導くまでの、求心力がありながらも躍るような描写は、見事だなというのは、前提として思ってます。平川さんはこういう文体をわりとナチュラルに書けてしまうのかもしれませんが(よくわかりませんが)、やはり良い意味で独自性のある文体だと僕は感じています。別にえらそうにわざわざ僕が言うことでもないのかもしれませんが・・・・・・。  ('07/04/01 03:35:32 *1)

  • 草野大悟 :
    平川さん、こんにちは。
    拝読
    この作品は、素直に、すんなり心に染みてきました。
    特に、三連の

    ...省略部分  ('07/04/01 13:40:50)

  • 名前はいらない :
    装飾過多で胸焼けがする。
    自らのレトリックに対する批評がまったくない。
     
    たとえばこの行

    ...省略部分  ('07/04/02 18:10:48)

  • 平川綾真智 :
    コメントありがとうございました。

    草野さん、好評で何よりです。引っかかった点を明確に書いてくださり勉強になりました。

    名前はいらないさん、指摘ありがとうございます。もう一度距離を置いて読んでみます。推敲の際への勉強になりました。
    ...省略部分  ('07/04/03 15:36:17)

  • 池中茉莉花 :
    再レスです。
    詩作に限らず、何かをやり続けるうちに自分の限界かと思うようなことに向き合うこともありますね。でも、恩師の言葉を
    いつも思い起こし、文極にあつまる人々の成長を望むのと同様に、ご自分の成長を常に求める平川さんの
    真摯な姿勢が伝わってきます。
    生きることそのものも書くこととおなじですし、この姿勢を胸に深くきざみたいと思いました。
    ...省略部分  ('07/04/06 21:43:12)

  • ICE :
    平川綾真智様こちらでは初めましてです。失礼します。

    当方の詩に批評を頂いたときにも書いておりますが、全く食わず嫌いの多い当方の意見ですので浅い意見とは思われますが‥。

    一読しまして、共感出来ないのが個人的に致命傷です。。
    ...省略部分  ('07/04/14 09:58:13)

  • シロ :
    文章のうねりを感じました。
    韻を意識されているのでしょうか、文章全体がとぐろを巻くようで楽しめた。  ('16/04/12 17:38:57)

  • 山田太郎 :
    こんにちわ いつもお世話になっております。

    「熊本地震3ヶ月目・連続震度7と1900回」関心をもって読ませていただきました。
    最後の、「私は今回、自分が被災して初めて阪神大震災や新潟中越沖地震のこと、
    東日本大震災の時に胸を痛めながらも何もわかっていなかったことを知りました。
    ...省略部分  ('16/07/23 09:31:54 *1)

  • 玄こう :
    >― 楽あれば苦あり 苦あれば楽あり そう呟いて生活を、な 描き続けた。ずっと、ずっと。・・・・
    はじめまして、批評ができるよう、こちらで訓練させてください。

    冒頭の恩師の言葉と、湯船に浸かるご自身と、この詩を綴るもう一人のご自身とが、ひとつの短い詩のなかに居てて、読者は彼や彼女の語りや想いを聞き分け、読みわけることができ、渾然とした三つ巴のパート、ソプラノ(湯船の彼女)、テノール(詩を執筆する現場の彼女)、アルト(恩師の忘れられない言葉)。詩のなかで歌われている、そんな想像を巡らしながら読む。

    ...省略部分  ('16/07/24 19:06:23 *6)


悪魔の子ども

 ケムリ  '12/02/10 23:26:55

 悪魔の子どもが生まれたって、言わないで欲しいんだ。カシミールで毛皮を売っている彼の、その柔らかい頬に浮かんだ笑顔みたいな、そういうところで生きていこうよ。僕はスリーポイントシュートもあまり上手くないし、タップダンスも上手に踊れないけど、いつまでも林檎の皮を剥いているみたいな顔をして生きていたいよ。

 ねぇ、そんなに人生に期待をしなくなったんだ。そういうことはおきてしまったんだろうし、おきてしまうだろうことだったんだ。それはそういうことだ、と思うことにした。そうじゃないと、自分も他人も許せなくなっちゃうからさ。いいかい、キー・ポイントはこういうところだ。君の身の上に起きたことはぼくの身の上にも起きるかもしれない。だから、君は独りじゃないよ。

 向き合うべきだ、と思うこともある。例えば、リビアだかどっかその辺りで罪もない市民が撃ち殺されたとか、名前もそんなに有名じゃないアフリカ大陸のどこかで、今日も小さな女の子が飢えて死んだとか。そういうことを悲しむのは、歳を経るとずいぶん簡単になった。だから、僕はムガベさんを責めたとしても、君のことは責めないよ。ハロー・ハロー・聞こえますか。どこまで生きても寂しかったんです。だから、色んなことがそれでいいと思えるようになりました。

 悪魔の子どもが生まれたって、風の噂で聞いてしまったんだ。それはきっと生まれたんだろうと思うし、君の空っぽの子宮の中を吹き抜けているその風には、ぼくだって覚えがある。誰も責められない、それどころかどこにおいていいかもわからないような荷物が、突然背中に乗りかかるんだ。ぼくだってそれくらいのことはわかる。だから、君のことを僕は責めない。出来ることなら、世界中の誰のことも責めたくない。そういうことは、サダムさんに任せておきたい。カダフィさんはきっと、煙草の値上がりを気にしたりはしてないだろうから。少なくとも、ぼくは煙草の値上がりを気にしたり、税金が上がって落ち込んだりするような人のことを責めたりしたくない。

 空っぽの冷蔵庫しかない部屋で生きてるみたいだよね。ドアを開けて、溢れた光の中でさ、何かが何度か羽ばたいたんだ。そういう夜を、みんな越えていくんだ。空気の粒がぶつかりあう音が煩くて、眠れない夜だってある。でも、君は夜を越えたんだろ。悪魔のことは誰かがきっとどうにかしてくれる。大量破壊兵器だって見つからなかったけど、世界は結構なんとかなったじゃないか。君は新聞の一面をみて、ちょっと気の重い月曜日で生きていこう。ぼくもそうするよ。

 君は独りじゃないよ。だから、ぼくも一人にしないで欲しいんだ。だって、ぼくはフリースローが入ったことがないくらいの男の子で、踵の潰れていない靴の一足も持ってない。きっと何かが間違ってたんだ、やるべきことをやらずに過ごしたんだ。寝過ごした日曜日の午前中に、ロケットは発射されてしまった。そんなことはわかってるんだ。悪魔の子どもは生まれてしまった、なにもかもがどうしようもなく掛け違ってしまった。そんな風になるべきじゃなかった、でもそんな風になってしまった。だから、君も独りじゃない。ぼくの好きなタイプの神様は、空気と同じ色をしているから誰にも見えやしない。彼の肌の色はよくわからなくて、でも彼は悲しくて、悲しくて、気がくるってしまったんだ。遊園地のメリーゴーランドで、いつまでも独りくるくる回っている。でも、これだけは大きな声で言わせてくれ。彼は、君のことが、大好きだった。

 
 気持ちよく晴れた昼下がりのことを考えよう。悪魔の子どもが生まれたとき、君はもう独りじゃなくなったから。いいかい、ぼくは牡羊座のあいつは好きじゃないから、まるで正しい人間みたいな顔をして、石を投げるんだ。泣きながら、笑いながら、いつまでも君は白人ではなく、黒人ではなく、ぶぅん、と鳴る冷蔵庫のうなりの中で、君たち、いつまでも空っぽの子宮で、どこまで生きても寂しかったんです。彼はいつまでもくるくる回りながら、それでも君たちのことが好きです。ねぇ、君は夜を越えるんだろう。ロケットは行ってしまった、津波が何もかもさらっていった。でも、ハロー・ハロー・ハロー、聞こえますか、聞こえますね、ぼくも独りじゃない。ハロー。

  • 榊蔡 :
    ありがとう。
    ここにある言葉の全てはいま、外部に機能しない自分たちだけに落ち込んだカタルシスのなかにあると思うんですよ。

    外部にはまるで栄養を与えない。
    そんな言葉を突き詰めることって、
    ...省略部分  ('12/02/17 00:21:43)

  • lalita :
    血と鉄がない。ペンは卑猥だ。ペンで書かないでくれ!  ('15/04/02 15:29:16)

  • たま :
    この作者はネットの普通の方ですか?
    何か作れてしまいそうな方ですが。  ('16/01/03 03:03:24)

  • 光冨 :
    たまさま。
    ケムリさんは前の文極の代表ですね。最近は顔出ししていないけれど。才能はあるのだから、書くことを続けるべき方でしょうね。  ('16/02/24 23:16:15)

  • 中田満帆 :
    大したテーマもないのに長々と。苦しい醜男だな。  ('16/04/02 23:56:07)

  • アルフ・O :
    腐っても元代表だし筆力があるのはわかるけどさ。これに限らずこの人の作品はなーんか全然好きになれないんだよねー。うざったいと云うよりは「いけ好かない」って表現がいちばんしっくりくるかな。
    そういえば前に評者って名乗ってた時のレスも拾い読みしたけど、筋通ってるなと思いつつ自分の中のどこかで猛烈に拒否反応が出てるの感じたことあったんだわ。なんだろ、ある意味良くも悪くもまっすぐな人なんだろうね。とりあえず今は「もう休んどけ」ってくらいしか云うことがない。  ('16/04/10 08:50:49 *1)

  • 山田太郎 :
    どうしょうもないのひとこと。
    すこし歳をとっておもいきり赤面するとおもう。
    もしそうならないなら、いまもそうだが、
    自己欺瞞のかたまりみたいな金儲け主義の
    そろばんおやじになっているだろう。
    ...省略部分  ('16/07/24 08:21:14 *1)


光の表にて

 みつとみ  '16/07/08 23:49:28

こんにちは こんにちは
いつのまにか
そう いつのまにか
わたくしは しろい光の表にて 目覚めるようになっていた
なまえは 知らないけれども 顔みしりのひとたちと
なにかしらの話をしている
むきになって 正しさをぶつけ 自らの言葉の角で 痛みを覚えている

自分のことなのに くわしいことも よくわからないけれど
覚えのない ことがらの ことばを 交わしながら
緑の布地を 一人ひとり みなで編んでいる

裏は あるのか ないのか
みなが微笑む うっすらとした 表にて 
(まぶしい 熱いほどに まぶしい
触れているのは
昼間の 計りの糸か
真夜中の 熱情の糸か

(わたくしは いったい 何を知っていて 何を知らずにいるのだろう

沈黙している 時の波が 打ち寄せて
ぼんやりとしたわたくしを 浜辺まで はこびあげたのは
青い糸で 編まれた 息絶えそうな《生の舟》なのか
それとも 赤い糸で 編まれた 青白い熱き《死の舟》なのか

(わたくしは 何処(いずこ)の世界に 在るのだろうか 無いのだろうか

うつむきかけたその顔を
そっとあげると
やわらかな しろい光に 注がれて
恍惚の 微笑みをうかべる

青白い 時が たちどまって
わたくしに 手をさしのべていた
額がきしむので
傷をなぞりながら 波間にただよう
仰ぐのは その白さに縁取られた 真っ青な空
光の表にて 
何度でも死して 何度でも生まれて
青蛙の腹に 爆薬で繰り返し遊ぶ 子どものわたくしたち 

誠を信じて銃殺される 白シャツの青年たち
緑色の糸で編み物をして いつかと待ち続けている女性たち

光の表にて
もう会えないはずの 恋人たちが 死して 再会をしている
(こんにちは こんにちは

こんにちは

ほんとうに

そう 光の表にて あれは光の表にて そして光の表にて
抱き合いながらも すでに目覚めることのできない わたくしたち

(こみあげてくるのは わたくしたちの尽きることのない息吹なのです

  • 泥棒 :
    わたくし
    が、
    多い。
    以上です。
    内容については
    ...省略部分  ('16/07/12 13:42:45)

  • kaz. :
    文学極道を大いに盛り上げようという気概に溢れた作品を評価します。この作品の弱点は、永遠の生の象徴たる光の表が強調され、「裏」がないことでしょう。この作品には裏のあるものが、例えば緑の布地が出てきます。しかしそれらも「光の表」に晒されて、裏が見えなくなっている。まさに今の文学極道の状況を風刺した詩といったところでしょうか。  ('16/07/12 16:36:11)

  • 5or6 :
    読みました。昔のネットでは今のようなマンションタイプのいつの間にかやって来ていつの間にか居なくなるのようなSNS交流ではなく、田舎の一軒家がお互いに、初めまして、こんにちは、〜から来ました。〜です。とか、始まりがあって、一対一のBBSの交流があって、リンクがあって、知人から知人へと、こんにちは、初めまして、と星座のように繋がっていく交流だったなぁ。と、何故か思えてくるのは、わたくしたちという、何処となく過去からやってきた人たちのような雰囲気だからでしょうか。全体から漂う天界から話しかける菩薩のような語りに思わずチルアウトしてしまいました。
    >青い糸で 編まれた 息絶えそうな《生の舟》なのか
    それとも 赤い糸で 編まれた 青白い熱き《死の舟》なのか
    印象的なところはこの部分ですが赤と青の対にあるのは仮想世界のマトリックスを思い出しました。
    ...省略部分  ('16/07/12 18:01:52)

  • みつとみ :
    泥棒様
    たしかに「わたくし」が多いかもしれませんが、あえてたたみかけるようにしているかと思います。
    内容については「特にない」というのは、あえてケチをつけるところが特にないのか、語るべき(批評に足る)内容がなにもないというのか、その両方か、などととれるようですが、あえて前者であると、好意的に解釈させていただこうと存じますですはい。  ('16/07/13 00:03:23)

  • みつとみ :
    kaz.様
    まさに光づくしですが、その分「裏」がないので、それが弱点といえば、それも否定できないかなともとれますが。文極の状況を風刺したというのは、深読みであり、狙いではないと思います。気概だけで生きてきました、と言ってみたくなったので、そのように書いておきます。ありがとうです。  ('16/07/13 00:06:26)

  • みつとみ :
    5or6様
    たしかに昔のネットではそのような感じがありましたね。懐かしく思い出されます。作品の舞台上では、登場人物は亡くなった方々なのですが、「星座のように繋がっていく交流」や「過去からやってきた人たち」や「仮想世界のマトリックス」というのも頷ける部分がありますね。「全体から漂う天界から話しかける菩薩のような語り」にチルアウトしてくださってもったいなくもありがとうです。  ('16/07/13 00:18:09)

  • アラメルモ :
    青い糸赤い糸、縫いつけられた緑の布地、白いシャツ。
    ここで表現された糸とは生命を繋ぐ絆の喩のことでしょう。
    光の表。通常我々が眼にできる光は色の波長も混ぜ合わさり白い。これほど原色が強調されるのにはその可視光の裏側に込められた理由もあるのでしょう。
    こんにちは、こんにちは。冒頭で始まるこの呼び掛けははじめて眼にする光に溢れた世界。いや、(青い糸で編まれた息絶えそうな、生の舟なのか、それとも赤い糸で編まれた青白き熱き死の舟なのか~)こんにちは、こんにちは、とは単純に最初に視た光だとは言い難い。それは青い糸が生を意味する糸に、そして赤い糸が熱き青白い糸と死を意味するように、つまり寒色の青から生き生きと目覚め、逆に熱き血を思わせる暖色の赤が死を指している。このことから、こんにちは、こんにちは、とは語り手による死への扉を開けた挨拶でもあるかのようにも取れてしまう。
    ...省略部分  ('16/07/13 01:21:39 *1)

  • みつとみ :
    アラメルモ様
    ご考察ありがとうございます。たしかに「死への扉を開けた挨拶」なのかもしれませんね。「光を分解させ、その隠れた波長から死生感へ導き出そうとする試み」というとろこまで意識していたかは、何とも言えませんが。
    「物語性」については、読み手には難しいのかなあ、とご意見を読み、思いました。「感化作用を果たしている」というお言葉には感謝です。  ('16/07/13 22:31:03)

  • 田中恭平 :

    こんばんは。すいません、御教授願いたいのですが
    括弧を閉じないで センテンスの接頭に→ 「( 」を置く
    という書き方を色々な散見するのですが
    これは何を意図しているのでしょうか。
    ...省略部分  ('16/07/13 23:07:35)

  • みつとみ :
    田中様


    ですが、起こしのカッコは閉じていないですよね。完結していない符号でしょうかね。詳しくは述べません。意識的なものです。

    ...省略部分  ('16/07/14 00:50:04)

  • 田中恭平 :
    すみません、

    >「全体から漂う天界から話しかける菩薩のような語り」にチルアウトしてくださってもったいなくもありがとうです。

    とレスされていらっしゃるので、お二人のつまり語の定義が
    ...省略部分  ('16/07/14 02:21:49)

  • 山田太郎 :
    こんにちわ いつもお世話になっております。

     いつのまにか
     知らない
     なにかしら
    ...省略部分  ('16/07/20 05:36:28 *2)

  • みつとみ :
    山田様

    この詩の世界はこの世ではないのでしょうね。
    子どもは残酷なものですよね。
    そして実直な青年は死に飛び込んでいったり、飛びこまされたり、そういうこともあります。
    ...省略部分  ('16/07/20 22:46:28)


 みつとみ  '16/07/16 20:28:10

ちぎった耳のような暦の頁があり
「もう自分は大丈夫、と
微笑むけれども
通り過ぎる風の縁に
ふれると
沈黙してしまうのは
「まだ 傷がなくなったわけではない
水面(みなも)に和紙がすべり落ち 白い影を浮かべる

(いえ、受けた傷は痕として残ってしまうのです

正しさとは何なのか
少なくても「自分は間違っていないと
いくら訴えても だれも耳をかたむけて
うなずいてはくれないのは
夜中の電車が走り去る音と
風の音が 胸に共鳴するからか

あなたは そんなとき
書斎の机に向かったまま
聞こえないふりをしたり 怒ったり 理屈を言ったり
でも わかるのは
あなたも傷付いているということ
目を合わせないのがその証

だとしたら
(だとしたら どこに この思いをぶつければよいのでしょうか

あなたは過去というけれど
わたくしにとっては 現在とおなじこと

胸の皮を一枚 いえ 暦を一枚破り捨てる
破り捨てた
その一枚の肌に いえ 一枚の紙に
水面にまた和紙がおちる

あなたは そっと 拾い上げ 自分の胸の奥の
わたくしには見えない 深い暗がりに 落としてしまった
白い暦がちいさく舞いながらやみに消えていった
「お別れはいわないのですか
「苦しめ続けるのであれば もう お別れしてください
「わたくしを染めないでください
白い和紙が 幾枚も水面に浮かび 赤紫に染まっていく

(そんなわたくしを あなたは おさえつけ
おさえつけ
(なにを熱く叫んでいるのですか
どうして 
(どうして 出会ってしまうのですか

あなたの声は聞こえない

あなたのこころがわからずに
ちぎった暦があり ちぎった傷があり
ちぎった写し絵があり ちぎった布があり
ちぎった文があり

そして あなたは叫び
(つもる紙が海を覆い尽くしていきました

いつまでも わたくしは あなたを見守りつづけ
(つもる紙が海を覆い尽くしていきました

「あなたはなにをみて どこにいるのですか

わたくしのとなりにあなたがいることがわからない
のに
あなたはずるさ故に眠っている

  • :
    前作とテーマも展開もにてますね。双子のような作品。
    前作では生と死の話が絡んでて、ややこしい感じがして入り込めなかったですが、
    この作品は心地よいイメージの連鎖に酔うことができました。
    情感をがっつり織り込むことで、難解な表現に頼らずに作品の強度を保っているように見えます。  ('16/07/17 03:48:49)

  • みつとみ :
    ね様

    お読みいただきありがとうございます。
    わたしのなかでは、わりとシンプルなテーマとスタイルかと思います。
    お気に召していただいたようで、よかったです。  ('16/07/17 08:19:41)

  • アラメルモ :

    うすく、消え入りそうな文字の、和紙を手に瞼をそっと閉じ、綴じれば白線を流すわたしがたたずんで、のような情動から描かれていますね。
    記憶の詰まった歴を川辺に流そうか、そこで歴が問いかけるわけです。
    和紙に浮かび上がる言葉たちが語り手に話しかけてくる。
    (もう~お別れですか、これまであなたが胸にしたためた思い、あなたの遺した傷、歴に挟んだまま、綴られた栞たちから~)
    ...省略部分  ('16/07/17 12:20:09 *2)

  • 玄こう :

     はじめまして、みつとみさん。どうぞ、よろしく。

     諸感を付すことが、詩を書かれた方に直ぐ様伝えられるため、たいへん効率がよいですが、テクスト的に読み、たいへん躊躇もいたしますが。上から

    ...省略部分  ('16/07/17 15:27:41 *4)

  • みつとみ :
    アラメルモ様

    「うすく、消え入りそうな文字の、和紙を手に瞼をそっと閉じ、綴じれば白線を流す……和紙に浮かび上がる言葉たちが語り手に話しかけてくる。」
    アラメルモさんのこの部分のご感想もまた美しいですね。たしかに女性を話者・主人公にしています。良く受け取っていただいたようで感謝です。  ('16/07/18 08:40:09 *1)

  • みつとみ :
    玄こう様

    「>ちぎった耳のような暦の頁があり/独白する調子で記述します、まずはこの一行について。みみ、こよみ、こう、という音の連鎖が耳に残る。“ちぎった耳”が千切った和紙を暗喩している。」等、丁寧に細かく読み解いていただき、書き手にも参考になる読解ですね。有り難うです。  ('16/07/18 08:48:29)

  • 山田太郎 :
    こんにちわ いつもお世話になっております。

    この詩についてはあまりいうことはないですね。
    もてる男はつらいですね、というしかないのですが、
    もてないわたしからみると作者がうらやましい。
    ...省略部分  ('16/07/20 07:58:28 *2)

  • みつとみ :
    山田様

    こんにちは。「修辞のやわらかさ」とのご指摘ありがとうございます。
    わたしはやわらかな言葉も好きです。
    どちらかというと、若いころはむしろモテなかったですね。
    ...省略部分  ('16/07/20 22:42:53)


空無通信

 ダーザイン  '04/12/25 00:04:37

放棄された埋立地を
一体の透き通った者と
連れ添って歩く

雑草に覆われはじめた
アスファルト面のそこここに
立ち昇る無の陥没痕
ほつれた放心の縫い跡から
冷気が放たれる

死の語り部たる永久凍土

遺跡化した新造建築物の合間を
一瞬の襲撃が
鳴りとよめかす
コーラ缶の放擲軌道

瓦礫の中の坂道を下る中央基線
片道三車線の
三位一体の
空無

いら草
コスモス
採り入れられた二番草の茎

おまえが通りを行く すると
空無が通り過ぎていく
風が
ただ透き通った風だけが
野を分けていくのだ

風は三度現われる
放擲と
放心と
今再びの放擲と

振り仰ぐと
身を捩る陽光

とりわけ巨大な陥穿の底
放物線上の斜面から
見上げる斜面に逆光を担い
静止する積雲の輪郭

一筋の冷光がお前を射る

光の剣に貫かれた者が その
放物面の焦点位置へと
焦点位置へと
浮遊する
立ち昇る
脱自する

球面収差に歪む視界に
現われる
再度現われる一本の線

待機する場所
空無通信

# 漏れも嫌がらせのように小難しいのを貼ってみる(´ー`)ニヤニヤ

  • Canopus(かの寿星) :
    うーむ…。これは悪いけど、失敗の部類に入るんじゃないかなあ…。
    固定面たるゼロの大地、そこをよぎる有機無機のベクトル、風のベクトル
    、光のベクトル。その乱舞がすっと消え失せ、立ち昇る新たな線。

    これは多分、現実世界における、作者の文学的決意に基づくもので、その気概は買うんだけれども、いかんせん、そのイメージの集積がゴツゴツし
    ...省略部分  ('04/12/25 01:36:06)

  • ダーザイン :
    文学的決意、イデオローグとかを意図的に書いたものじゃないよ、
    6年前に鬱病を発症して三日三晩寝ずに仕事をし、
    発狂状態の異常心理を完全自動書記をしたもので「作品」ではないよ、マジレス。
    この詩はパウル・ツエランやイヤン・カーチスのような奴にしか解らないと思う。  ('04/12/25 03:10:36 *1)

  • Canopus(かの寿星) :
    ……。つまり、「解らないヤツはスッこんでろ」と、そういうわけ?
    ぼくみたいな、無名のヘタレがいっちょ前に批評しちゃいかんと、そうい
    うわけなんだね?よくわかった。  ('04/12/25 07:12:51)

  • たもつ :
    >かの寿星さん
    「ぼくみたいな、無名のヘタレがいっちょ前に批評しちゃいかんと、そうい
    うわけなんだね?」
    そんなこと言う人はここにはいらない。構わない。ガシガシやってほしい。
    言い訳するアホは放っておくくらいの気概で突っ走っちゃってくれ。  ('04/12/25 08:47:51)

  • Canopus(かの寿星) :
    たもつさん、すんません。大人げないことをしちまいました。
    ほんとは放っておかなくちゃいけなかったね。
    ガシガシ突っ走っていきますよー。  ('04/12/25 09:46:29)

  • 榊蔡 :
    私のあてにならない読解力からいくと、
    場面は開発の打ち切られたリゾート地、
    刻は黎明から日の出まで、
    お前というのは自身であって一体の透き通った者ではなく、
    空無通信、ってのは通信とありながらも返信のないそれこそ放擲である、
    ...省略部分  ('04/12/25 16:11:47)

  • 僕姫 :
    >脱自する
    わはははは。
    笑いました。
    たのしかった、ありがとう。
    (突然・飛び込んでしまい・失礼m(__)m)  ('05/08/21 09:21:06)

  • 千芳 :
    長い!飽きる!理屈っぽい!!  ('05/09/20 10:02:41)

  • 鷲聖 :

    この詩文に
    この程度の評価しかでてないのか

    虚しいな  ('05/10/14 21:50:23)

  • 鷲聖 :

    いや

    俺のにゃ足下にも及ばんけどな  ('05/10/14 21:58:01)

  • 鷲聖 :
    この詩は
    構築ではないと思った
    凡庸な不断的な生への衝動でもなければ
    ただのやりきれなさの心情の甲殻化でもない

    ...省略部分  ('05/10/17 11:02:46)

  • テュート :
    あ、すいません
    鼻血でそうなんですけどw
    てか うますぎです。  ('05/10/29 00:30:05)

  • コントラ :
    新しく書き直します。なんていうか、テクノ音楽を思わせる作品ですね。テクノ、音楽全般には詳しくないんで、何が、と聞かれても困るのですが。表現の一点にいたるまでよく突き詰められた良作だと感じます。抽象的ではあるが、ごつごつしている感じはなく、一連ごとの展開にまさに目を見張らされます。とくに評価できるのは、

    いら草
    コスモス
    採り入れられた二番草の茎
    ...省略部分  ('05/11/17 22:22:28 *4)

  • ダーザイン :
    >コントラさん
    この詩は大昔に書いたもので、阪神大震災の直後だったと思います。ちょうどその頃から私の精神も崩壊して鬱病発病当初の急性期で、今は密封・封印したこのような詩を、ほぼ自動筆記でたくさん書きました。意図したアブストラクトではないのです。数日も不安と焦燥に駆られて一睡もできないで仕事をしたあと、割ける様に、割れるように虚無にに彩られた言葉が湧いてきて止められなかった。この詩の中に希望の欠片があるのかどうか、今でも私には解りません。射し込む光はツエランのように冷たかったです。
    ...省略部分  ('06/01/18 00:34:01)

  • ダーザイン :
    >鷲聖さん
    >ひたすら広大なそして完全性の空間へとむなしく鳴り響くだけだ
    まったくその通りです。この詩を書いた当時は存在論的全体性への希求に人生がぶち壊れるほど支配されていました。
    今の私も、こういう詩は趣味じゃないです。今は小説に専念していますが、存在論的欲求をネタにできる精神的なゆとりがあります。私も小説では超派手好きなものを描いているのですよ。芸術でありながら、同時に強烈なエンターテイメントでもなければ納得できません。  ('06/01/18 00:41:04 *1)

  • 鷲聖 :
    人生がぶち壊れるほど
    いいね
    そういうものを世間は青臭いものに比類したりするが
    俺はそうは思わないよ
    実際そのくらいの過程がなけりゃ血肉にはならない
    ...省略部分  ('06/01/19 09:28:03)

  • みつとみ :
    読み。
    タイトル「空無通信」。
    「「空無」とは全く何も存在しないこと。空を否定的に捉える表現。」と辞書にはある。
    「通信」とはひとや手段によって、音信、意思、情報などを伝えること。とすれば、「何も存在しないことを、伝える」という意味だろうか。
    ペンネーム「ダーザイン」。ハイデガーからの影響の「現存在」。一般的には、ものが現実に存在すること。ハイデガーでは、「他の存在物から区別された実存としての人間。その自己の存在を認めるあり方」というぐらいの意味合いだろうか。ちなみに実存は、現実に存在するという一般的な意味合いと、自己の存在に関心をもつ主体的な存在という哲学的な意味合い。正確に詳しく書くともっと言わなくてはいけないのだろうが、このくらいで読めると思う。
    ...省略部分  ('06/01/22 14:44:18 *2)

  • DARKZONE :
    こちらには初めてお邪魔します。
    面白く拝読しました。
    『風は三度現われる』は、文句なしの殺しラインだと思いました。
    ただし、「とりわけ巨大な陥穿の底」
    このあたりから急速に飽きます。もういいよ、って感じで。
    ...省略部分  ('06/01/24 09:25:55)

  • ひょう :
    風は三度現れる、は、殺しラインか、、、けど、決していい意味ではないね。他の感想とかもみたかぎり、ダークゾーンさんは、よい読み手だと思う。作り手としてよく考えている人のような気がします。ダーザインさんは、素直に耳を傾けておいたほうがよいのじゃないかな。
    自動書記というわりに、意識が勝ちまくってるよね、これ。だから中途半端なんじゃん?
    それともただ「推敲無し」なんてだけの意味で使ったのかな。  ('06/02/08 15:12:27)

  • コントラ :
    お疲れ様です。

    この作品、読み返したけど、いいですね。こんな作品を極道の本のトップに
    置いてマニフェストの代わりにしたらいいんじゃないかなと、思います。
    もっと読まれるべきだと思うので上げときます。  ('08/09/30 12:55:34)

  • マラルメ :
     パウル=ツェランとイアン=カーチスですか。読んで見ます。  ('08/10/08 22:07:29)

  • SSS :
    読ませていただきました。

    悪いですけれど、ツェランは自動筆記で書いていたわけではないでしょう。少なくとも、他の自動筆記の作品を当たれば(あなたもすでに読んでいると思われますが)分かるはずです。ツェランの作品には意図がある。講演「子午線」の中でも、現実的道理の排除は示していても理性を排除しようとは語っていませんし、作品を見れば明らかです。
    あなたの作品は素敵なのもあるし、僕は批判的気持ちも持ちつつ応援しているけれど、これはいまいちだと思います。
    ツェランの影響を受けているように見えるのは確かですが、これは詩作の動機はどうあれ、あくまで表面的模倣に過ぎないように思う。ツェランは虚無的なものを対話の相手としながら詩を書こうとしましたし、声や言葉のない段階から詩を書こうとしました。その側面ではこれも同様のようにも感じえますが、これには欠如だとか孤独ばかりで意図がない。詩を書くうえでも、そのほかのうえでも、その孤独さを書くということは悪くはないですけれど。
    ...省略部分  ('08/12/25 22:04:50)

  • ダーザイン :
    何年ものおそレス、申し訳ありません。
    先ず、SSSさん
    自動書記という言葉を、此処で私はミシンと笠のようなでたらめの意味では使っていません。ハイデガーが言うところの「到来」のニュアンスで使っています。パウル・ツェランは熱烈なハイデガー信者でありましたし(彼らの出会いも、対話も不幸なものでしたが)、存在からの到来、存在の無の顔である死からの到来ということです。
    で、拙作ですが、この詩に存在論的な意味や意図がないとは私はまったく思っていません。また、ツェランの模倣は意図的にも無意識的にもまったくしていません。「光の剣に刺し貫かれる」という言葉を記したとき、ツェランのことを思い起こしはしましたが。多分、イアン・カーチスはツェランの詩を読んだことがないのではないかと思うのですが、同じような精神状態、同じような存在論的実存様態で書いたのであろうと思います。
    ...省略部分  ('09/01/09 01:16:46)

  • 田中宏輔 :

    以前に、お書きになってらっしゃた北海道の風景なのでしょうか。

    空がものすごく大きく見えました。

    ...省略部分  ('10/01/13 19:07:32)

  • シロ :
    なんだか読んでると、瞑想状態へと導かれるような感覚だった。
    作者含め批評家さんたちの賛否両論はあるけれども、なにはともあれピュアなものを感じます。  ('16/04/12 06:05:29)

  • アルフ・O :
    小難しくはない。この人のはこの作風の方が好みかなー、書いた本人はあまり気に入ってないようだけど。タイトルからして「あ、ちくしょうやられた」ってなるし本文もなんかすごく“わかる”感覚だからね。まぁそもそも長期的に書き続けられる方法じゃないのかもしらんが。  ('16/05/05 09:48:10)

  • 天才詩人 :
    ダーザイン君。君は間違いなく天才だ。歴代の評者がまったくこの作品を読み込めいないのが気になるな。極限まで選別された言葉でつくられた、かんぺきな作品だ。  ('16/07/13 23:58:08)

  • 玄こう :
    聞き慣れないタイトル
     空無通信
    くうむつうしん

    音色響きがいいじゃない、
    ...省略部分  ('16/07/17 23:45:22 *6)

  • 山田太郎 :
    ひとつひとつの言葉が大仰すぎる。  ('16/07/22 13:53:19)


シルビア (改訂版)

 コントラ  '09/01/10 18:55:40



シルビアは恋人の兄のマルコスに「デブだ」とからかわれても、黙って
顔をそむけるだけだった。雨上がりの日曜日。表通りのアスファルトか
ら湿った風が這い上がり、リビングの古びたテーブルクロスの上では、
錠剤の袋がかすかに音をたてている。門の向こうに車がとまり、礼服を
着たシルビアの家族が午前のミサから帰ってくる。彼らは部屋に入って
着替えを済ませると、すぐにまた車に乗ってでかけてゆく。シルビアの
家族は、小さな二人の弟もふくめ、みんな太っている。国境を越えて輸
送される黄色やオレンジ色の炭酸水は、この国の神話のプログラムを見
えないところで書き換えている。

パウンドケーキのような熱帯林の中央基線が交わるあたりには、巨大な
ショッピングコンプレックスが午後の陽を浴びて白く光っている。シル
ビアによれば、ここのフードコートで売られているピザやフライドチキ
ンは、母がつくったものとは違う味がする。しゅわしゅわと口のなかで
溶け、まるで宇宙食を食べているような感じなのだ。シャーベットのよ
うな冷気が充填されたフロアを出ると、シルビアの家族は地平線が見え
るハイウェイに車を入れる。後部座席では、シルビアが朝からの物憂げ
な表情で窓ガラスに額をあてている。いつからか、彼女の視界には光る
綿のようなものがちらつくようになり、体のだるさはいつまでたっても
直らない。

シルビアの父がいつも赤信号で急ブレーキを踏む、環状道路の交差点。
車の列が停止すると、安物のキャップをかぶった物売りたちが寄ってき
て、小さな押し花やボトル詰めの炭酸水を売り歩く。汗ばむ褐色の腕に
握られた炭酸水がきらきらと熱を放射するのを見まもるシルビア。排気
ガスで黒く汚れた壁と、炎天下に立ちつくす売り子たちの姿が無声映画
のカットのように映り、アクセルを踏み込むと視界から消える。ドライ
バーの目線をはばむ鋼鉄の防音壁の外に広がる原生林のむこうには、板
きれやダンボールで風をしのぐバラックの群がゆるやかな丘の中腹まで
続いている。

あれは小さなころ、縫いぐるみを抱いて祖母の家に遊びにいったときの
ことだ。眠たい目をこすりながら飛行機がこの街に着陸してゆくとき、
砂粒のようなの電灯の群が、この丘のうえまで這い上がっているのを見
て、シルビアはベッドカバーに落ちた宝石のように、それらを手にとる
ことができるような気がしていた。いま、そこから数百メートルも離れ
ていない、なめらかに舗装されたハイウェイを、日本製のセダンは滑っ
てゆく。道が緩やかにカーブしていくと、フライドチキンの広告塔が回
転しているのが視界の隅にはいり、そのむこうには広く青ざめた空が緑
の地平線をすりきりの地点で飲みこんでいる。

  • コントラ :
    過去の文極投稿作の焼き直しですが、シークエンスを重視して手をいれ自分としては印象が変わったので投稿してみました。一作くらいならこういうのも許されるかと、いや、許してください、お願いします。  ('09/01/10 19:02:03)

  • ダーザイン :
    第3連から
    >ドラム缶で燃える丸焼きのチキンが黒い煙を空にたなびかせている、
    >環状道路の交差点。
    インパクトのある異化作用をもたらしていた上記が除かれ
    >シルビアの父がいつも赤信号で急ブレーキを踏む、環状道路の交差点。
    ...省略部分  ('09/01/18 05:23:50 *1)

  • コントラ :
    ダーザインさん。まずは前ヴァージョンとの対比の上でのコメント、感謝します。
    従来のものだと、2連から3連への移行がよくないんですよ。
    これはかなり確信しています。
    ある程度の物語的な輪郭を掴んでもらわないと、読み手の中にイメージを着床させるのも難しいだろうと。少し前に読み返してそう思い、書き換えました。新ヴァージョンでは「シルビアとその家族の一日」という脚本をすこしクリアにすることができたような気がしています。

    ...省略部分  ('09/01/18 12:40:34)

  • 黒沢 :
    コントラさん

    疵がなく、とても美しい散文ですね。コントラさんの中でも、随一の良作ではないでしょうか。真向からのダメ出しは、ぼくには出来ないです。

    あえて二点、論点のみ残しておきます。
    ...省略部分  ('09/02/13 00:46:45 *3)

  • Contra :
    黒沢さんにとてもこみいったレスを書いたのですが、ネットの接続が切れて全部消えてしまいました。
    これをいますぐに書き直す気力がないので、また4−5日中にレスします。
    では、すみません。  ('09/02/18 00:11:03)

  • コントラ :
    黒澤さん、返信遅れてすみません。

    この作品にはおそらく僕自身の脱出願望みたいなものが投影されていて、そのぶん
    すごくパーソナルなものにとどまっているんだと思います。南米文学は、
    「100年の孤独」を読破した以外はつまみ食いのみですが、もちろん南米育ちの
    ...省略部分  ('09/03/01 11:56:24)

  • がれき :
    この詩はすごくいいね。もっとたくさんレスがついていいと思う。かんぺきだと思った。  ('09/04/04 19:30:31)

  • コントラ :
    がれきさん、ありがとうございます。

    本人としては、何十回となく読み返して「かんぺき」に近づくべき推敲はしているのですが、しかし、先日賞をとられた黒澤氏の「プラタナス」や、ほかにもある文極の秀作群のなかでは、この作品は霞んでしまうと思っております。

    ともあれ、精進したいと思います。コメントありがとうございました。  ('09/04/07 09:55:42)

  • 凪葉 :
    はじめに言っておきますが、役に立つコメントではないと思います。

    >この作品ではどちらといえば、パン第三世界的な視点に重きを置いています。
    >たとえば、カルカッタでもラゴスでもサンパウロでも、国際資本の展開とか
    >都市の急速な膨張とかいった現象は水平的に同時継起していて、
    ...省略部分  ('09/09/07 22:11:57)

  • コントラ :
    せっかく凪葉さんにご感想をいただいたので、このさい書いてしまおうとおもうのですが、
    私は、すでに詩を書いたり、表現それ自体が目的である種類の文章を書く気力は
    かなりまえに失せてしまっています。端的にいえば、自分がこれまで書いてきた
    作品に、もうあまり興味はないし、これから何かを書こうという気力もありません。

    ...省略部分  ('09/09/08 02:06:09)

  • 凪葉 :
    曖昧なコメントに、お早いレス、ありがとうございます。
    不満なんて、とんでもないです。

    コントラさんは旅をしているのでしたっけ?(違っていたらごめんなさーい。)

    ...省略部分  ('09/09/08 07:49:32)

  • 常悟郎 :

    今晩は コントラさん
    お初ですが たまたま目に致しましたので…

    好きに感想言わせて貰えるなら…これは ただの小説の中の一文章ですね
    ...省略部分  ('09/10/17 03:10:37)

  • コントラ :
    常悟郎さん、

    感想ありがとうございます。詩や作文全般に関する僕の近況は、上の凪葉さんへの
    レスのとおりです。

    ...省略部分  ('09/11/02 12:15:42)

  • コントラ :
    それから、もし時間があれば、「マナグア」のほうを読んでいただければうれしいです。
    まあ、どちらもたいしたことはないですが、シルビアより自信作です。
    http://bungoku.jp/ebbs/log.cgi?file=177;uniqid=20090715_635_3649p#20090715_635_3649p  ('09/11/02 12:20:59)

  • 常悟郎 :

    今晩は

    「マナグア 」拝見させていただきました
    たいへん緻密な描写で ちゃんと出来上がった作品の抜粋ですね
    ...省略部分  ('09/11/02 22:49:59)

  • 田中宏輔 :

    短篇小説の連作のひとつのように思いました。

    ぜひ、つづきを読んでみたいと思いました。

    ...省略部分  ('10/01/10 07:13:29)

  • シロ :
    地味ですが結構好きでした。

    以上、発起人(過去に発起人になられた方も含め)バトル作品を、ざっと読ませていただきました。

    最近、就任されられた方々の作品も読ませてください。  ('16/04/12 18:00:18)


夜警

 ダーザイン  '06/04/14 04:41:04

風の強い夜だ
下弦の月のまわりに
虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎる
窓辺に焼きついた油色の日々が
ガラス板から流れ落ちる

星々がさわさわ震えている

明滅する交通誘導棒を持ち
人明かりの消えはじめた
薄ら寒い夜の街角に立てば
ビルの影が微かにゆがみ
闇がほのかに光り始める

夜の精たちの
永遠のあやとり遊び

人通りがなくなると
思いはどこか遠いところへ
寂しい海辺へ
或いは
懐かしい見知らぬ景色

草原の千の舌が
湿気った夜風にざわめき
存在しない女の形をした塔が
しずかに
しずかに
燃え上がる

夜もふけて
深夜便のトラック乗りが
時たま通るだけになる
永遠の合図を待つ歩哨のように
赤い光の警備棒を振りながら
テールランプの明かりを見送ると
頭上の電線が
かすかに
かすかに
ざわめきはじめる

 あなたはどことどこを繋げているのですか
 あなたは神様のいる場所に繋がっていますか

 あなたは知っていますか
 つながれることのない手のぬくもりを

風の強い夜だ
俺のサイフには
黄色く色あせた写真が一枚入っており
きっといつまでたっても
捨てることはできないんだろうと
そんなことを思う


#身体性について批評を受けたので、この詩を貼ってみるよ(;´Д`)
こんなに泥臭いのはあまり書いたことがないな(;´Д`)
「消滅」についての各氏のレスについてのレスは近日中。
やっと落ち着いたので。

  • :
    ことばと「身体性」は切っても切れない。
    その先に詩があるということ、
    それが批評の内容だと思います。
    この「夜警」という作品は、たしかに詩で、
    けれどもまだ詩のいりぐちで、
    ...省略部分  ('06/04/14 14:46:06)

  • :
    申し訳ありません、いい忘れたことを。
    この詩において、作者はとても希薄なように思えます。

    >黄色く色あせた写真が一枚入っており

    ...省略部分  ('06/04/14 15:06:16)

  • :
    この詩を読んでいることが、そのまま旅の時間となりました。
    この旅は「虹色の光の輪を作っていた薄雲が通り過ぎ」てから「窓辺に焼きついた日々が「油色」であるだけの重みがあるように思えます。
    「風の強い夜」に頭上の電線がざわめくのは、確かに人の心のざわめきに違いない。その苦しみにもかかわらず、
    <あなたは知っていますか
     つながれることのない手のぬくもりを
    ...省略部分  ('06/04/15 23:02:50)

  • コントラ :
    きれいな詩ですね。都市的風景の只中にあるのだけど、どこか懐かしいような詩人の温かいポケットに包まれている感じがする。そいえば電話線というモチーフはダーザイン氏の作品群を貫いてますね。泥臭いって、いいじゃないですか。アンドロイドじゃなくてやっぱ「人間」すよ。「身体」すよ。

    現代詩フォーラムで前読んだ気もするけど、いま引越しの真っ最中で酔っ払ってるんで、また書きます。では。  ('06/04/17 01:30:55)

  • ケムリ :
    ダーザインさんの感覚では、これでも「泥臭い」の範疇に含まれるんですか。ぼくには「丁度いい加減」だと思うんですよね。普段のダーザインさんの作品は、ソリッド過ぎて触れられないことが多い。

    草原の千の舌が
    湿気った夜風にざわめき

    ...省略部分  ('06/04/19 00:54:16)

  • 苺森 :
    人物に植物に建造物に、今この自分という肉体の在る空間に限定した現実世界をとりまく万物(心象などは関係ないだろう)の在るままを忠実に描く業。その眼と指。己(魂)の自由に遊ばせる感性や可能性の無限大に広がる表現の“解放”にでなくただひたすら現実を直視し続ける己の“制御”のなかに生まれるのが写実描写だろうか。考えていたら「極道」の象徴のように思えてきた。
    植物の一つ描くにしても光の浴び方に影の落とし方、葉の風になびく様、茎や枝のしなり、花びらの曲線、それらの色味や質感、その植物を形成するすべてを細部にいたるまで正確にそれも限られた枠内で描ききるという非凡な技術力の要る作業。
    易しいようで写実とはある意味“遊び”の許されないごまかしの通用しない、それだけに実力の試されるシビアな世界だろうか。また本来はその『写実』も物事の表向き、光のあたる側面、美、それらだけを捉えた一部の要素に偏ったものでなく光の当たらない裏側、ダークサイド、一般的に伏せられるであろう類の暗部それらの要素をも均等に含まれていてこそ成立するものだと私は思う。
    ...省略部分  ('06/05/11 14:25:37)

  • 理来 :
    こんばんわ、早速評を……
    残します。

    微妙なところで指摘をあげるとするなら、七連の四行

    ...省略部分  ('06/05/19 23:46:34)

  • 相田 九龍 :
    苺森さんが仰ってるが
    >「極道」の象徴
    と思わせる素晴しさでした。しっかりと都会と繋がりながら、どこか別の場所とをしっかり繋げている。素晴しい作品です。

    誰が読んでも、そういう印象を持つだろう(そんなこと僕には関係ないですが)。現代詩が持つドーム型の天井の一点にこの詩はあるな、と感じました。(僕からは天井なんて見えませんが。間に雲があります。)
    ...省略部分  ('06/10/04 22:18:11 *1)

  • ICE :
    ダーザインさん初めまして、失礼します。

    何といいますか、どこがというよりも全体が好きです。
    綺麗です。人物はひとりの男性だけでも、周りの現象が生き生きと輝くようで、どこか宮沢賢治のようなファンタジイなやさしさもあるようで。

    ...省略部分  ('07/04/14 10:30:09)

  • ガリレイ :
    僕の中でダーザインさんは怖いイメージだったのでこの詩を見てちょっと拍子抜けです。題名が好きです。
    >星々がさわさわ震えている
    このさわさわって、笹の葉のようなイメージで音が聞こえてきそうで好きです。
    >あなたは知っていますか
     つながれることのない手のぬくもりを
    ...省略部分  ('07/04/20 03:08:55)

  • 混沌 :
    初めまして。私はこちらの作品のほうが好きになれます。全然泥臭くなんか
    ないです。温もりと情緒に溢れる感じが・・・それでいて少し寂しげかも・・・。素人な感想でスイマセンっっ  ('07/07/09 21:30:03)

  • 稲村つぐ :

    >永遠のあやとり遊び

    理来さんも指摘されていますが、この点について作者の返信が見てみたいものです。
    私も、気になった部分でしたので。
    ...省略部分  ('07/07/15 15:02:34)

  • 常悟郎 :
    おはようございますですね
    お初にお目にかかります

    萎えたあたまながら評など少しさせて頂きます

    ...省略部分  ('09/10/17 07:27:48)

  • ダーザイン :
    自己剽窃は常套的にしていますね。いかにももうちょっと自覚的であるべきでしょう。
    「永遠のあやとり遊び」の連ついてはやっつけ仕事であったかもしれません。
    もっと稲垣足歩ちっくな終末論的未来派の影絵芝居を描くべきだったかもしれません。  ('09/10/19 20:29:59)

  • 田中宏輔 :

    「つながれることのない手のぬくもりを」という言葉に

    こころが、とまりました。

    ...省略部分  ('10/01/10 08:09:45 *1)

  • ダーザイン :
    田中宏輔さん
    たくさんレス入れありがとうございます。
    「つながれることのない手のぬくもりを」という言葉には万感の思いがあり、
    寂しさも、希望も共にあります。
    田中さんも同じ気持ちを抱いておられるのですね。
    ...省略部分  ('10/01/12 22:49:19)

  • 田中宏輔 :

    呼吸法、お教えくださり、こころから感謝いたしております。

    こころと、身体の状態が、まったく違います。

    ...省略部分  ('10/01/13 06:54:51)

  • シロ :
    作者はご自身で、この作品を泥臭いと評しておられるみたいですね。
    泥臭いのは鯉と同じで僕は好きですが。
    全体として、しびれまくりでしたけれども、それが悪いのでしょうか?
    昔、誘導棒を持ったことがので特に興味深い作品でした。
    すごい好きです。  ('16/04/12 05:48:21)


夜の子

 みつとみ  '15/12/23 23:43:02

はじめに くらやみがあって
(ここまでくるのにながい夜をくぐってきた
一枚いちまい重ねられていく
生まれるまえは
まったくの やみだったと
うすぼんやりとした 
陽だまりの まえにすわって
鍵盤を たたいている
ちいさな 私を 私はみた 

とざされた 窓を
やっとの 思いで あけても
そこにはまた とじた窓があり
その窓をあけても そのむこうに
窓が いくつもつらなっている

たゆたう くぐもった水に うかぶ 子
なにもかも 信じられずに
目を とじたまま
身を ちぢめていた

求めてみても みちたりることはなく
それでも 求めることをやめられないのは
この地に 私の 居場所がないから と

いつのころか うすやみが あって
私のなかの まったくのくらやみが
光る海の 底になって
やみが あおく 輝きを はなち
子 が ただよっている

うすやみにも
まったくの くらやみにも
とうめいな 光が さすことを
ひとたちは 黙せずには いられない

わすれさられてしまった ひとにも
陽の光は ふりつもるのだから
私は ついていくことにした

(そのひとは ひとの 祈り だった

陽の 光を みあげる
祈りは しずかに みちていく
そのひととの あいだに 生まれる
しずまりが
目と口を とじた子 となって
背をまるめ 手足をちぢめて
私のまえに 浮かんでいた

その子が くらがりにきえたあと
私は その祈りのひとを
ひっそりと 抱きしめていた
重ねられていくのは
私が生きてきた みちすじ

私の 傷あとと その祈り
そのひとの よこ顔を 私はみつづける

(そのひとは ひとの 祈り だった

  • ねむのき :
    みつとみさん、はじめまして
    バードシリーズの頃とは正反対の詩風になられましたね
    透明でうつくしい叙情詩だと思います
    センチメンタリズムにもメンヘラニズムにも落っこちないギリギリのバランスを保つ技術が光っているように見えました  ('15/12/24 10:26:01)

  • みつとみ :
    ねむのき様
    レスありがとうございます。
    バードシリーズとは違う作風にしたかったので、このようにしました。
    評価していただき、感謝です。
    これからも佳い作品書けるよう言葉に向き合いたいと思います。  ('15/12/24 19:56:20)

  • 泥棒 :
    なんですか
    この、印象に残らない作品は。

    ま、
    でも最近読んだ
    ...省略部分  ('15/12/26 23:52:19)

  • みつとみ :
    まじっすか?
    そういう作品になりますか。

    まあ、でもご感想書いていただけでも、
    ありがたいです。
    ...省略部分  ('15/12/27 21:04:27)

  • 本田憲嵩 :
    こんにちわ。

    さすが発起人の方だけあって、筆力、そして詩情が段違いですね。
    現フォのほうで、おお!さすが凄い、と思いポイントを入れたのですが、
    泥棒のさんの仰る通り、ちょっと印象が薄いかなとも思います。
    ...省略部分  ('15/12/29 17:47:32)

  • みつとみ :
    本田様

    こんにちは。
    この手の作品は言葉が平易で透明な分、
    印象が薄くなる傾向になりますね。
    ...省略部分  ('15/12/29 18:05:34 *1)

  • シロ :
    今まで読んでいませんでしたが、先ほど読んでみました。
    あまり深読みはしていませんが、私と妻の事を書かれているようで胸が痛みました。
    仮に私の想像が正しければ、よい作品であるがゆえに哀しすぎてたまりません。
    私の読み通りの作品なら、後半はかなり難しい部分だと思います。
    批評にもならない、思いつき感想です。  ('16/04/11 18:02:21)

  • 光冨 :
    シロ様

    ご感想ありがとうございます。悲しいけれど、あたたかみも感じていただけたならば、幸いでしたが。  ('16/04/11 20:34:48)


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