選出作品

作品 - 20201010_578_12155p

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(平屋に住んでいると)

  田中恭平

 
平屋に住んでいると
背が縮みます
秋雨が身に染みる、とは
このことなのですね

安心を得る為に骨を捨てました、
しかし法悦には満足しております
ぜんしん、が脱臼して
髪は煙草の灰のように白いです

満ち欠け、と
いえば月 けして年齢によりませんが
一度、礼に向かいますので
そのときに その不思議なお尻をお見せください  敬具


味のしないガムのような念仏、
法悦はもう無い、くすりの服用によるさっかくか
副作用は日々強くなる
さいきん 嚥下ができなくなった

ペヤング ペヤング ペヤング 週五
胃袋から全身へペヤングソース焼きそばが送られ
わたしはもう人間ではない
かといってダイナマイトにはなれない


平屋に住んでいると
背が縮みます
秋雨が身に染みる、とは
このことなのですね

また 手紙を書き直している。自然法爾に、放流、