口が緑を食べて居る
襟を食べられたような気がして
背が伸びて来たような気がしたので
セコンドをつけて
ボクシングをやってみた
リングは自然のままの草原で
トライに次ぐトライで疲弊する空だと
思った カーテンがひと揺れしただけで
飲めない光を体中に蔵して行く
草原に寝転んだ アンパイア(審判)兼トレーナーの持つ
ムチが若くなって行く
風の尾があるとしたらそれは寒いに違いなく
胃に未来があるかと思えば
稲穂が風に揺れて
雀のさえずりが聞こえて来た
選出作品
作品 - 20200926_226_12126p
- [佳] 草に寝転び - イロキセイゴ (2020-09)
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草に寝転び
イロキセイゴ