選出作品

作品 - 20200706_443_11995p

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わたくしでなく

  みどり

目の前に燦燦と降ってくる音粒に
驚いたこと ある?
簡単な喜びならよかった
安易な悲しみならよかった

私たちは複雑に生まれすぎて
心は古生代に還りたがっている

吹きすさぶ嵐の中を
たあだひとり、黄色な傘さえもたず立った

家に帰り
柔らかなタオルを頬にあてがう
部屋は暗く
灯かりをともす気もない

窓から零れた月光のかたひら

目の前に燦燦と降ってくる音粒に
驚いたこと ある?
言葉になる前の ただ
息をしているんだ

わたくしの感性