角膜の剥がれるように羽化の滴が伝う
硝子戸に透けた翅として冷たく瞬き
唇ほどに物を言うモノクロ。
●蝶/
/○蝶
気の狂れた四月の仄あかい月
交尾のように緩慢な時流のとろみに
沈黙の背中が裂けている。
(((未声、が
ーーPantomimeーー
未成、のままに)))
柔らかくされた幼年期が臼歯で潰れた
匂いが酒精へと転写されてゆく、なんて
花のように残酷な時間から醒めて、
もう、行方知れずのアサギマダラだ。
選出作品
作品 - 20200427_343_11842p
- [優] 口ほどに蝶 - NORANEKO (2020-04)
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口ほどに蝶
NORANEKO