こころに
蜜が生成されていて
おや?
と考えたが
アコースティック・ギターは
書斎にしまってあったので
トンボの鉛筆噛んだ
時計
ひとつひとつに意志があり
月はひとつじゃない
と知れた夜
ミルクの国という飴を舐めながら
無
を
味わっていた日々も
いい加減にしないとな
わたしは旅をしている。存在している
とぺソアは書いたらしい
おれの息は荒く
この繭
このへやは
こころにできた蜜を
くすぐってくれる
あは
あは
たのしいよ
一度気を失っただけで
人生すべてが滑っていってしまった
親から舐められる日々がつづく
それでもまあ
書くしかないんだ
田中書人
いいペンネームだろ
選出作品
作品 - 20200321_512_11772p
- [佳] 蜜 - 田中恭平 (2020-03)
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蜜
田中恭平