(III)
セックスは全人の愛の証しではないのでセックスを愛したとしてもひ弱なわたしにとってセックスは愛し難いものだった。行為は理屈では無いと言っても桃色兎になるのは無理と言うもの。明確な意思が伝わった指先の動きが僕を惑わしたとしても、それはきみの罪ではない。おどんがうつしんだらみちばちゃいけろとおるひとごちはなあぎゅう シムチョンbleuの四角いオブジェを雨あがりの空にあらわれた君の残影に套ねた。天道虫が転んだ。Le vierge,le vivace et le bel aujourd’hui とろりとした金星の影が三日月を犯す。いろいろと並ばれていたをとことをんなたちがつくづく死ぬのがいやになったと冷めかけたお茶をにぎりしめて生きているのでした。冬ざれの空のおもてを鉛の風船がいつも生理中とタンポンの糸を垂らして走っていたのでした。
*註解
・おどんが……:五木の子守唄
・シムチョンブリュ:深青
・套ね:かさね
・Le vierge,le vivace et le bel aujourd’hui;<Mallarme(1842―1898)>生娘で、生一本、今日の今日とて絶世の日(アンダンテ訳)
選出作品
作品 - 20200310_337_11749p
- [佳] go down like a lead balloon - アンダンテ (2020-03)
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go down like a lead balloon
アンダンテ