言語の裸体が赤く染まり
飛んで来る変化球はツーシーム
打ち返すセーラー服の男性は
先週知り合った人
落ちて行く日 燃え上がる日
裸体が屋根に上った
下で火を焚く湯女が居る
湯女の眷属を私は知っているのだが
個人情報を燃やせずに
希少価値が生じる
大きな月が昇る
言語の裸体は屋上で茶をすする
走るなメロスと叫んでいたような
少年時代だった
その痕跡が今でも藤の木の下にある
選出作品
作品 - 20200219_094_11717p
- [佳] 言語の裸体 - イロキセイゴ (2020-02)
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言語の裸体
イロキセイゴ