選出作品

作品 - 20200111_757_11674p

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星言葉

  kale

bird、みんなみんな見えるという青い鳥たちが、空を横切るときの比喩、みたいにしずやかな響きで、貫通爆弾が等高線をshuffle、修飾していくね。神さまを修飾すれば戦争に、なるのだろうか。誤読からはじまる読点を、雨に喩えて問う星言葉。



草原の匂いのする
蹄の跡を残さぬように
誰かの残した目印は
眠りの湿度を
諦めている
柵のない
故郷の土に
探しにいこうよ
虹のひとつを
彼処にうまれる
羊の群れは
まだ丘の途中
谷よ山よと
谺んでいるのは (※)
誰だろう



いっぴきのあおじろいちぎれぐもがアア
そらにもがいてアアしずんでいきます
あれはだれのたましいでしたかアア



耳をふさぐと余計に響く
雨音の切れ間をすり抜けて
垂直に飛び立っていく
彼らは渇いていたのではない
歪みのない垂直もまた
歪みの一種だとは思わないか
そう言い残して姿を消した父さんは
濡れることを嫌って雨のなかへ
雨の構造色が収斂する
環のたもとでいつかのように座りこみ
何やら熱心に観察しているようだと
鳥たちはしきりに噂をしている



しらないの約束のあいだに
いつもさよならはしらない
おろしたての沓でつまずいていたいから
ほらみて父さん自由だよ
呼ぶこえはずっとさえぎっていて欲しい



いまわすれられた角度のなかをのぼるようにくだっていきます結しょうはなつかしいふう景を散らんさせるしゅ嘘くにたくさんくっついてはなれていきます、いま。というわすれられた角度のそとをくだるように飛びたつふくろうたちは夕やけをふぃゆたーじゅみたいねかさねた層のうちにおぼれていましたね肺ほうをもやしていましたとねむっていましたね。いま。かんろがおびただしい水溶せいのあ軽さに逆らっていく力がくと天きゅうを謎らないあのた今つさえもさえぎるのぼるようにのぼらないうそ西ずむようにしずまないてんたいのようにはっ光して。とりたちだった仮しょうをむりやりに剥ぎとってだ遺児なものがてらてらのぞいてなによりもざんこくな希しゃくをざん巨うがほしかったなんてうる刺すぎて粘まくはふさぐあてもないのに駆けていくね欠けていくんだねもうだれよりもうつくしくなれるはずだったのに。いま。わすれられた耳なりはふぃゆたーじゅ。しんでいった卑溶せいのさい胞にかぶさっていく残きょうがわすれないようにさけぶことをおぼれないようにもやせないようにねむれないようにのぼれませんように。どうか。



bird 、や鳥たちが見た、っていう青い青いみんながばらばらに空を横切っていく、ときの比喩みたいだね、しずやかな響きに誤読された読点は、耳を塞げば余計に響く、雨みたいなvogel 、が絶え間なく地面と心中していくから、等高線にshuffle、修飾されていくね、層になっていくよ、uccello 、眠っているんだね、うそが堆積していくんだよ、きらきらだね、じゅうりょくが逆さまだよ、あなたの星座みたいだね、ぼくのじゅうりょくが?そんざいが主張するおもさのことだろう?oiseau、まだ聴くこともできないの?ざんこくだよね、aves、avis、bird ?







(※)谺んでいる
  よんでいる、あるいは、さけんでいる