涙の漏れた少女たち
が仲間を増やしつつ、
西へ向かうのを見た
地平のきわで彼女らが平熱の太陽になったとき
いくつものワンピースが祈りを聞きながら
倒れて倒れて倒れまくる、
そうだ あれは、
ひどく小さなかさぶただった
横断歩道をきちんと渡って 戦争に行ったっきりの
きみの擦り傷だけを
今でも覚えている
光の長さを知らないから ぼくは
色彩を信じられなかったし
廊下のはじでとめどなく
まとまりを無くしつつもあった
ほんとうに、終わるのですか
さあ、それはまだ、
今度こそたしかな明日がどこまでも
きみに続いていますようにと
あやまりながら祈っている
終わるのですか
それはまだ
夜明け、
走馬灯がふるえ 突然に花開く
数字にまとまった名も無き人らは
つま先から光の子へと生まれ変わって
しらむ空にむかって ゆっくり歩みはじめていた
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選出作品
作品 - 20190920_136_11464p
- [佳] ひかりのこ - 鈴木歯車 (2019-09)
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ひかりのこ
鈴木歯車