1から12まで
時計の数字は動かぬ眼だった
手から離れた乳房が
あの木の枝に引っかかっていた
白いシーツの上で心臓と心臓が絡み合う
ドアを開けると何もないただの壁だった
街燈の上に浮かぶむき出しの眼球
何も食べられないから、そのまま餓死してしまう
木の枝に引っかかっていたのは
ため息で膨らんだ喪服だった
廊下の奥へ続くガラスの破片を
吸い込むように涙は流れていった
窓を開けると鳥籠が空へ羽ばたいていった
シャボン玉一つを包んだまま
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選出作品
作品 - 20190903_868_11436p
- [優] I love you - 鴉 (2019-09)
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I love you
鴉