夏の浜辺でね
死んだような臭いがしていたよ
海の匂いだよ
白い家の
カーテンの揺らぎから
漂って
チリチリ
やけに痛くって
油彩の絵の具を
乾くまで
いつまでも、いつまで重ねてさ
全然乾かないんだよ
白い粉が湿っててさ
眩しくって仕方がない。
あぁ
白い、世界が
白い、白い、
運命の輪が回っていたんだ。
巻貝の螺管が陥没してるのに
狂っているんだ。
おかまいなしに回転している
選出作品
作品 - 20190524_073_11224p
- [優] 浜辺 - たこ吉 (2019-05)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
浜辺
たこ吉