すれ違いそうになった老人との距離に
あとどれぐらい生きれるかを図る。
歩幅は、狭く前のめりなのに、
後ろ歩きをしているのだろうか、
南風が吹いて現在地にいたる。
海を探していた。
見上げるとそこは真っ赤な海だったんだけど。
どれだけの人が死んだのか。
すれ違ったはずの老人が呟く
どれくらいの生命が生まれたのか
生意気に言い返す。
春の風が体を突き抜けた。
5月病の社会人と、僕がすれ違う頃にはわかるかな。
海が青いという事実。
選出作品
作品 - 20190501_797_11195p
- [佳] 道すがら - まひる (2019-05)
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道すがら
まひる