コンタクトがずれて
地面に吸い込まれていった
わかっていたのに、
わたしはそのまま
くらりくらりと
真夜中へ歩を進める
ドームの中
できてしまった美しい環礁
何も見えないふりをして
踏み潰してしまうのは
結局わたしだった
クマノミは
イソギンチャクの毒に
耐性があるらしく
日常を喜とした痛みに
いつでもあなたは
生かされている
選出作品
作品 - 20190427_761_11188p
- [佳] 環礁 - 水漏綾 (2019-04)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
環礁
水漏綾