夜、
どうしても眠りたくなくなることが
ある。
森の中、足が疲れて死ぬまで歩いて、夜を引き延ばそうとする
酒は飲まない、酒に飲まれるのが怖いから。
でも夜に飲まれている。
暇つぶしにペットを飼ったが
すぐに死んだ。
金がたくさん無駄になった。
そいつは全然可愛くなかった。気持ち悪いばかりだった。臭かったし、食べられるわけでもないし、撫でた感触は良かったがすぐに飽きた。
猫カフェの方が百倍いい。
ペットは二度と飼わない。忘れたい、なかったことにしたい、死にたい。
金欠なのになんて無駄なことをしたんだ。
ペットはすぐに死んだ。
金が有り余ってないとペットは飼えないね。
狩りの方が色々いっぱい楽しめるから千倍いい。
狩りを知らなければここまで後悔しなかったのだろうか。
何か
どうしようもなく飼いたくなった
夜に飲まれていた
そいつしか売ってなかった、だから仕方なく
太っていたし
鱗はところどころ剥げていた
冷たくて気持ち悪い唇の味
忘れたいことばかりだ
思い出すと気分が悪くなる
君を裏切ったことに
また嘘をつくことに
吐き気が
死にたくなる。
可愛い哺乳類の赤ちゃんだったら
多分変わっただろう。
だらだらしていると、あっという間に朝になると知った
ペットはすぐに死んだ。
僕の退廃に絶望する。
赤ちゃんペットの販売は禁止になったらしいね
あのにおいに顔を顰める
忘れたいことばかりだ。
選出作品
作品 - 20190108_898_10989p
- [佳] 昨日の夜の絶望 - いけだうし (2019-01)
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昨日の夜の絶望
いけだうし