選出作品

あ
、
と
思ったら
とけてしまう
丁寧に取り扱ってください
白い皿
二つに割った記憶
笑い
声
ふ
と
降りてくるメロディー
胸のラジオから溢れ
夏に
冬の歌聞いてる
有機体、
として
はじまりのはじまり
けっつまづいてやなこった
蝗が飛ぶまで
もうかりまっか
ぼちぼちでんなぁ
草と泥の会話
夏野
夏の
のはら
ひらかれて隠されていたものが明らかになる冬の後日談
全部冗談だったんだよな
気にしなくてもいいさ
でもきみの代わりに僕が生きていてごめんね
ハミング
ラストソング
勘違いと糞の会話
夏野
夏の
野原
高らかに
僕らは
制限されていました
拘束されていました
今日も
明日も
明後日も
自分というものがなんて邪魔なんでしょう
おもひでぽろぽろ
おも
ひ
で
ぽろ
ぽ
ろ
あったかくて冷たいものってなんだ？
さいごのなぞなぞを問いてみろ
きみが言っていたような気がした
大動脈瘤乖離
で
亡くなった
きみに詩を書こうと思って
ペンをとったけれど
あ
、
としか
書けなかったんだ
俺も段々弱ってゆく
世界は嫌なもので溢れているから
ひとは夢をみる、
ん
だったよね
キハツしてゆくピアノ・メロディー
きみと労働の話しなかったのが不思議だね
すべからく鬱にかかる
すべからく鬱を祓う
金箔の入った酒を飲んだね
自由ヶ丘駅前のバーの
ホームシック・ジョンはまだいるのかな？
誰に語りかける、
俺は郊外で
夏の涼しさに震えている
音楽を消して
鳥の声は俺を無視している
和のなかに入りたい
一応何かには収まって
安心な夜がくるなら嘘だ
でたらめばかりに会う
ただそんなことを愚痴ったりしない
苦笑　苦笑　苦笑
草　草　草
夏　夏　夏
の
中で
鉛筆を尖らす
一人
もういたずらはやめてください
もういたずらはやめてください
冷やし中華はじめました
の
前で
少年が大きな声でグループにそう告げていた、
を
一瞥し
スピリットが湧いてきて
きみのこと
思い出した
ら
歩いたな
今日も
眠る
よ