わたしのなかの
いっこの
おまえという
ゾンザイの
いきることの
ねぶかいいたみに
こわれた
だんぺんを
れきしにめくり
たいせきした地の
地につがれた血の
まなぼうとした知の
すべてがはかいされた
そのばしょを
しかとみすえ
だまってうつむけ!!
そこから一歩もうごくな!!
ただぼうぜんと
ただそこに、じっと
つっ立ったままでいろ!!
ぼうかんするな
なにも、かも
なにもかたるな!!
しかとみとどけ
だまってうつむけ!!
わがことのなかのひとごと
ひとごとのなかのわがこと
そんなたわごとであるかぎり
なにもむすばれはしない
なにもむすばれはしないのだ
なにも、かたるな
だまってうつむき
その場をうごくな
おまえというおまえの
いっこのぞんざいが
ぜんいもきぼうも
あくいもぎぜんも
おなじように
こざかしく
あらゆる “か ち”が
さい(賽)のように
投げられ
その“たいか”さへ
“うんめい” にのまされた
ほうまつのグズ
きづかれたれきしに
しるされたことばに
いったい、これから
どんなあしばを
きづけというのか
ウソをぬりかさねた
ことばの、ことばの
そのうえに、ウソを
きずいたところで
いったいなにを、
きずけというのか
なにも きずき はしない
なにも きずけ やしない!!
どたんばの あしもとに
すこしも たつことができないまま
いきるというよくぼうに
きぼうというみらいに
“し”というせつなに
そんなものにいまだに
しがみつき
わたしというわたしが
そうしたものすべてを
もし、てばなすことができるなら
そうして、 すべてをなくした 在・場 に
もし、立つことが、できるのなら
そうして、わたしというわたしが 自・覚するものが
もし、あるのなら
だまって“く い” をうつ。
その 在・場 に 立ち
だまって “く い”をうつ。
史のあしばを、しかとみすえ
そこに、つったったままでいろ!!
そこから、一歩もうごくな!!
なにも、かたるな!!
ただぼうぜんと、そこに、
つったったままでいろ!!
いまの、いまの、いまの
とぎれぬ、ときのまえで
なにも、なにも、かたるな
ただぼうぜんと、そこに
つったったままでいろ!!
選出作品
作品 - 20180517_455_10454p
- [佳] 弔 - 玄こう (2018-05)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
弔
玄こう