選出作品

作品 - 20180430_737_10395p

  • [優]  消化 - 松本末廣  (2018-04)

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消化

  松本末廣

関東全域に散布された
概要欄に耳介を索条痕として
含ませる
バス停に群がる 知性 知性知性
博識の陳列 が作用する

唐草模様の草食男を
父性の散った双曲線で
意図も簡単に吊り上がり
惰性に一本取りされる
それを 萌葱色のハンガーにかけ
一本取りした その醜い一縷を
チクチクと 気圧によって
感受性を風化させるも
1錠のゾルピデムとして
食前に崇拝される

燃えているのは感情論だ
売女の養殖だ

培養されたその世界をみて
陳列を 現金払いで端から潰す
刺しては払い また食む
点々と 朱を創るのだ

病状を言い訳にし
外のモロトニアムに手を出すと
その余剰を知るはずもなく
只空を切って掴むのは朝の新聞
くしゃりと鳴く 弧状の月を
吐き捨てた唾が 纏われた
揺れるH2Oの波
ウィンドブレーカーに
寒さを置いていく

石油から噴き上げられた
炎の許容を 僕は強いられている