選出作品

作品 - 20180409_378_10366p

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Laid back ALF-O

  アルフ・O

 
 明日が今日よりいい日でありますように
 なんて祈る事しか出来ないけれどさ
  ───TRICERATOPS / GOING TO THE MOON


# b

フレッシュを入れ過ぎた
コーヒーが冷めるのを待つ
風のとても強い春の午后
「遠回りどころか
 到達もしないんじゃない?
ハニートーストが品切れになってしまって、
仕方なく時間外手当の使い道を
ガソリン代とかそれ以外で考えることにする
「体のいい逃げ口上ね、
視界をチラチラするのは
切りそびれた前髪だけじゃないんだろう
と、カフェインが効かない
(都合よくそう言い聞かせている)
身体に囁く。
やせ我慢にまた蜂蜜入りの体液を混ぜ込んで
3人掛けソファーに沈み微睡む夢を見る
「ギチギチするのはそれも貴女の
 深層心理とやらの反映?くすくす。
日向が少しも暖かくならない庭で、
どこまで肋骨を切り崩せばいいのかと
誰にともなく問う、
「肩身狭いね。自業自得だけど。
「水も食糧も嗜好品もカテゴライズが遅過ぎた。
「貴女はあたしの夜で、
 あたしの昼で、
 あたしの月。なの。
「見えない左眼、直接回線繋いじゃえば。
「断頭台の刃をそのまま得物に
 使った彼女を見習って。
「いや本人の意思じゃないでしょ。
「ほらまた老人共がアレルギー起こしてる。

いつだって、深い睡りに飛べるよ。
今でも。───多分。
「緑柱石に埋もれない限りは、ね。


# q

鍵穴を閉じる。
居着いた蟲が飛散しないように、
6帖の部屋を満たすソーダ色の香りは
貴女の細胞、身体一式に絶えず濾過され
上塗りされ
抗いようもなく、
気怠く対流している。
「あたしを呼んだのは、そのため?
「1人だと間に合わないもの、解るでしょ?
マーブル化する夢を見る、
貴女の声を聴くと、いつも。
「貴女がアポロンで、あたしがクロノス。
「微妙に対になってないんですケド、
「だって語感で選んだから。
対流しつづけ、幾千度目かの飽和を迎える
合図の紫の雨が降り
あたしたちは、一様におしゃべりをやめ
決してマーブルにはなれないと知りながら
互いに漂白を始める
「この方法しかないのかしらね。
「それ、本当にそう思ってる?
───俯く。「いじわる、

(締め出せばいい。
 なればこそ、彼等のコントロール下から、
 僅かにはみ出していればそれでいい、
叫ぶけれど貴女は応えない。
解ってる。
解ってる───。


# o


(空白)


(空白)

(空白)